キヤノンEOS70Dを買う

キヤノンEOS70D



 これまでの自分自身の買い物の頻度を振り返ってみると、カメラについて、私はどうも、およそ2年おきぐらいに買い換える傾向にあるようだ。2009年のオリンパスE−P1から始まって、2011年のE−P3、そして今度のキヤノンEOS70Dとなった。なぜこのEOS70Dにしたかは、前回のエッセイで記したところである。そこでこれからしばらくは、このカメラの使い勝手や撮った写真について書いていきたい。

 先日、アマゾンから大きな段ボール入りの荷物が届いた。待ちに待ったキヤノンEOS70Dである。その箱の中身と、その後バラバラと届いた小分け発送荷物の内容は、次の通り。

 (01) Canon デジタル一眼レフカメラ(EOS70D)本体及びCanon EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM付属EOS70D18135STMLKの望遠レンズキット 145,258円。
 (02) Canon 望遠フルレンズキットEF70-300 F4-5.6 IS USM フルサイズ対応、 52,020円。
 (03) CanonレンズフードEW-73B、2,254円。
 (04) Canon カメラ用保護フィルター 58mm、2,309円。
 (05) CanonレンズフードET-65B、3,436円。
 (06) Canon カメラ用保護フィルター 67mm、2,891円。
 (07) Canon 一眼カメラケース ブラック EH21-L、11,635円。
 (08) Canon バッテリーパック LP-E6、 6,500円。
 (09) ハクバ CanonEOS70D専用液晶保護フィルム DGF-CAE70D、1,600円。
 (10) Canon EOS70Dスーパーブック (Gakken Camera Mook) 、1,890円。
 (11) SDHCカード32GB 2枚、8,680円。
 (12) Canon Remote Swich RS-60E3 、2,080円。
 (合計額)  238,244円。

キヤノンEOS70D


 カメラ(キヤノンEOS70D)を手にとってみると、かなり重い。それに、ボタンやダイヤルからは、相当、武骨な感じを受ける。小型軽量のオリンパスペンシリーズを使い慣れた身には、これは大丈夫かと思うくらいだ。データによれば、本体の重さは321gから755gへと、2.35倍になっている。EF-S18-135mm F3.5-5.6のレンズが480gだから合計1,235gだ。これでは、重く感じるのも無理はない。でも、私はもともと手のひらが大きいから、その手にカメラ左側の前に出っ張った部分がピッタリ吸い付くように持つことが出来る。そういう意味では、むしろこちらの方がたいそう具合がよろしいことに気が付いた。多少重いのも、ダンベルの練習と思えば大したことがないと考えよう。

キヤノンEOS70D


 さてそれではと、さっそくレンズを取り付けて、充電済みのバッテリーとSDHCカードを差し込む。昔から私は取扱説明書を読まないタイプの人間なので、そのまま各種ボタンを触ってみる。私の場合は、習うより慣れよで、この方がよほど早く機械に慣れることができるからだ。もっとも、初めてパソコンを触ったときもこの調子でやっていて、危うく壊しそうになったことも一度や二度ならずあったから、あまり誇らしく言えるものではない。少なくともカメラに関しては、基本的な操作や用語は、前のオリンパスのカメラで慣れているから扱えるともいえる。

 知らず知らずのうちに、やはりオリンパスE−P3との違いを探してしまう。その先代のオリンパスE−P1の時代からずーっと、このオリンパスペンシリーズを4年間も使っていたのだから、それも当然か。ざっと見たところ、まずはレンズのCanon EF-S18-135mm F3.5-5.6の直径がとても大きいから、それだけでかなりの存在感がある。オリンパスの標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL 14-42mmは直径37mmだが、こちらは67mmなので、大きな穴が空いている感じだ。

 スイッチを入れて近くのものを撮ろうとして、背面の小型液晶パネルのディスプレーを見たが、何も映っていない。そうだこれはオリンパスのデジタル一眼カメラではなくて、デジタル一眼レフカメラなのだと改めて気が付く始末。そこで初めて、使い慣れない光学ファインダーを覗くと、なるほど良く見える。しかし、デジタル一眼のオリンパスに馴染んだ身からすると、やはり液晶ディスプレー(キヤノンでは、これを「ライブビュー」というらしい)で見たい。適当にボタンを触ると、ガチャという音がしてディスプレーに画面が映った。なかなか鮮明な画像が映る。しかも、この液晶ディスプレーそのものは色々な角度に変えられる。これは位置の低いものや高いものを撮るのに便利だ。それに、画面にタッチして焦点が合うとそのままシャッターを切ってくれる機能も気に入った。モードダイヤルを動かすのに、いちいち円の中心の小さなボタンを押さなければならないのは手間だが、これによってダイヤルがいつの間にか動いてしまうという間違いは避けられる。一通りやって、どのボタンについてもある程度は目星が付いたので、さて、外で試し撮りをしてみることにしよう。

根津神社の秋の祭禮


(1)祭禮の夜景

 まずは、夜景などの撮影環境が厳しい場合の能力である。カメラが届いたその次の日、近くの根津神社で毎年恒例の秋の祭禮があった。このキヤノンEOS70Dには、手持ち夜景モードというのがあって、夜景の撮影に三脚を使わなくても、たった一回シャッターを押すだけで高速で4枚を連続撮影してそれをカメラ内で合成し、ブレを抑えた写真にしてくれるとのこと。夜祭りの撮影にはピッタリの機能だ。

根津神社の秋の祭禮


 ということで、わざわざ午後8時を過ぎた頃に神社の境内に行ってみると、たくさんの屋台が並んで、焼きそばのソースの香りが辺り一面に漂い、多くの人がそぞろ歩きをしている。あまり人がいない方向を狙ってシャッターを切る。すると、ダダダダッという削岩機ではないかという音がして、何事かと驚くほどだ。確かに一秒間7枚という勢いで撮っている。2秒ほどして、次の写真が撮れる。ということは、もう写真が記録されているので、それを再生してみる。ああ、こらは良く撮れている。早歩きの人物が前を横切ったので、それはどうかと思ったが、それはちゃんと消えている。どうなっているんだろうと驚くほどだ。

根津神社の秋の祭禮


 楼門の前にある池の周辺には、人々が座って、屋台で買ったものを食べたり、話し込んだりしている。肉眼ではとても暗く感ずるのだが、それを撮ってみると、わあ凄いとびっくりするほどの写真が撮れた。もちろん粒子は粗くなっているものの、この写真は、すでに人の目のレベルを超えている。それから夢中であちこち撮って回ったが、本当に三脚の必要がない。これには、感心した。

(2)動き回る初孫ちゃん

 翌日、動きが早くて直ぐに表情が変わってしまう最も手ごわい被写体、初孫ちゃんの登場である。場所は、東京都内のキドキドという子供の遊戯施設。なぜここかというと、適当にお客さんの数が少なくて、初孫ちゃんが伸び伸び遊んぶことが出来るからである。何しろこの子、最近は私をからかうのを覚えてしまって困っている。私がレンズを向けると、わざとクルリっと顔をそらせて、なかなか撮らせてくれない。それで、私がカメラを持って追い駆けると、鬼ごっこの要領でゲタゲタ笑いながら高速で走って逃げる。とても追い付けない。そのくせ、私が追い付けないと分かると、こちらを振り返ってニンマリと笑って天使のような笑顔を見せる。それを撮ろうとカメラを向けた途端、くるりと反転して、また逃げるという有り様だ。

初孫ちゃんのトランポリン。これは、豊島園にて


 そこで、作戦を変えて、本人が気付かないほどの遠くから、キヤノンEOS70Dに超望遠レンズを付けて狙うことにした。幸い、ここのスタッフはどの人も親切で、暇なときは孫の相手をして追いかけっこなどをしてくれる。それを超望遠で撮ろうというものだ。削岩機のような高速シャッターが鳴り響く。まずは、ボール投げの瞬間だ。これは簡単で、ピントは一定にしておくだけで良い。それで撮影したのだが、凄い連続写真が撮れた。何が凄いかというと、初孫ちゃんがボールを持って振りかぶる。それを的に向かって投げ出す瞬間の顔の歪みまで写っているのには驚いた。家内いわく、「大人っぽいね」。次にトランポリンをし始めた。これは、自動追尾のオートフオーカスを使った。これも見てびっくり。初孫ちゃんが上に飛び上がる時には顔の造作もやはり上に飛び上がって変な顔になっている。下に着地する時はその逆で頬っぺたが下に下がるので、見たことのない顔になる。いやはや、運動すると、こんな顔になっているとは知らなかった。このカメラを使わなかったら、永久にわからなかっただろう。もっとも、それが意味のあるものかどうかは、別問題である。

巾着田の説明


(3)巾着田の曼珠沙華

 巾着田の曼珠沙華(写 真)

 新聞を読んでいたら、埼玉県日高市で巾着田の曼珠沙華が満開を迎えているという記事を見つけた。曼珠沙華つまり彼岸花は、咲いてもほんの1週間もしないうちに枯れて汚なくなってしまうので、東京の公園でたまたま見つけても、すでに盛りを過ぎていることが多い。それが500万本も集まって咲いているなんて、なかなか見られない風景だと思い、カメラを持って出掛けることにした。

巾着田の曼珠沙華


 西武池袋線に乗って飯能まで行き、そこから高麗駅に着いた。田圃の中の道をおよそ15分ほど歩いて巾着田に到着した。日高市のHPによれば、「日高市内を流れる清流、高麗川(こまがわ)の蛇行により長い年月をかけてつくられ、その形がきんちゃくの形に似ていることから、巾着田(きんちゃくだ)と呼ばれるようになりました。直径約500メートル、面積約22ヘクタールの川に囲まれた平地には、菜の花、コスモスなどの花々が咲き、中でも秋の曼珠沙華群生地は辺り一面が真紅に染まり、まるで赤い絨毯を敷き詰めたようです。毎年多くの人がその美しさに惹かれて訪れます」とのこと。地図を見ると、なるほど、川の蛇行で大きな巾着の形をしているその南端と東端に曼珠沙華の大きな群生地がある。そのうち、南西部分が早咲き、東端部分が遅咲きと、上手く配置してある。この秋の季節には曼珠沙華とコスモス、春には菜の花と桜が咲くという。川にはカワセミの営巣地もあるらしい。

巾着田の曼珠沙華


 見物客がぞろぞろと歩く中、私もその中に混じって進んでいくと、一面が燃えるように真っ赤な場所にたどり着いた。そこで、入場料300円を支払って入った。ところが、それは広大な曼珠沙華群生地のほんの一部で、そこからずーっと、赤い曼珠沙華の花が果てしなく続くこと、続くこと。日高市・日高観光協会のパンフレットに「500万本の曼珠沙華」と書いてあったのは、唐の詩人・李白の白髪三千丈のたぐいかと思っていたが、そうでもなさそうだ。カメラ・キヤノンEOS70Dを取り出して、その一面の曼珠沙華を撮ってみるのだが、どこを向いても同じ風景が繰り返されてしまうから単調で撮りようがなくて困ってしまう。一本の曼珠沙華をアップで撮ったりしても、薔薇などと違って花に個性がないから変わりばえしない。たまに白い曼珠沙華があるからそれを撮ったり、あるいは曼珠沙華の上に黒揚羽蝶を見つけたり、木の幹に生えている曼珠沙華が面白いからそれらを撮ったりしてみた。

曼珠沙華と黒揚羽蝶


 帰り際になって、果たしてプロのカメラマンは、どんな写真を撮っているのだろうと気になり、改めて日高市のパンフレットを見てみた。すると、曼珠沙華の群生地に光が射し込んでいる構図になっていた。なるほどと思ったけれども、残念ながら私が訪れたこの日は曇りだったので、そういう光の魔術は使えなかったのである。

巾着田の曼珠沙華





(2013年 9月23日記)


カテゴリ:エッセイ | 00:45 | - | - | - |
第二の人生の始まり

近所の花、デュランタ



1.第二の職業人生が始まる

 私は先月、長年勤めた内閣法制局を退職して最高裁判所で第二の職業人生を歩むこととなった。その過程では様々なことがあった。前職では法治国家とは何かとつくづく考えさせられるなど大いに心残りはあるものの、しかし今更どうこう出来るものではない。その後ろ髪を引かれるような気持ちを別にすれば、当面はとりあえず身辺が落ち着き、新しいオフィスで順調に仕事が進みつつある。毎日、朝は午前9時に出て夕刻は午後5時に帰るという判で押したような生活である。これまでのように場合によっては午前様、早くても帰りは午後8時という厳しい生活に比べればはるかに人間らしくなった。

 仕事上の責任も従来は一人で一手に引き受けていたが、今度はいわば共同責任のようなもので、その分、他の同僚裁判官の考え方も参考にしながらじっくりと腰を据えて考えることができる。また、これまでのように外部から突然、降って湧いたように矢玉が飛んできて、「ああ、時間がない、明日の朝までにこれにどう対処するか考えないと」などと頭を悩ますということもなくなったのは、精神衛生上、誠によろしいことは確かである。その代わり、仕事の量は明らかに増えた。もう激増といってもよい。前職でも山ほど書類が積み上げられることはあったが、それは年二回ほどの繁忙期に限られていた。しかし今度の職は、文字通り毎日、机の上に多種多様な案件がこれでもかというほどに置かれる。それに対して、一つ一つ懇切丁寧に見ながら、リズム良く処理していく必要がある。夕方になって、「ああ、これで今日はお仕舞いだ」とホッとしていると、そういう日に限って新しい案件がドーンと大量に追加されたりする。

指人形


 内容も結構難しい。まるで連日、法律時報や判例タイムスを隅から隅まで読んでいるようなものだ。中にはこれは十分に考えなければと思う案件として、いったん脇にとっておかなければならないものもある。しかし、うかうかすると、そういうものが直ぐに山ほど溜まってしまう。まあ、どこで割り切るかという問題でもある。しかし、本当に難しい案件が多い。あれやこれやと思考の過程を繰り返していくと、遂には一冊の法律書が書けるのではないかとすら思うほどだ。この世界で長く暮らしてきたが、法律というものはこれほどまでに広範囲でつ奥が深いものとは想像もしなかったというのが、正直な感想である。まあ、コツコツ、淡々と、誠意をもって地道に取り組んでいくほかない。

猫やさん




2.初孫ちゃんのお相手

 とまあ、そういう法律の条文漬けのような世界に身を置くと、たまの週末くらいは六法全書を離れて息抜きがしたくなる。かつて若い頃の私は、毎日の帰りは午前様という激務で、自分自身の子どもの世話など考えもつかなかった。いわばその罪滅ぼしのような気持ちで孫の世話をするという第二の人生も良いなと思い始めている。とりわけ最近は、初孫ちゃんが身近にいてくれるので、その相手をしてお出掛けをするというのが絶好の暇つぶしであり、文字通り童心に返ってのリフレッシュとなる。その初孫ちゃんも、早や5歳近くとなり、いやはや大きくなった。可愛いことは相変わらずだが、それに加えて最近の初孫ちゃんには自信のようなものがフツフツとその身にみなぎって来ているのを感ずる。何をするにも大声を出して全力で取り組むし、好き嫌いがはっきりしている。それに活動量が増えて疲れを知らない。

 そういう場合にこうした幼児向きの遊戯施設として、近くの東京ドームに「アソボーノ」というものがある。要は、学齢期前の子供を遊ばせる施設である。例えば、アドベンチャー・オーシャンといって、ボールが海のごとくに敷き詰めてある中で滑り台あり、トランポリンあり、ボール投げあり、ロッククライミングありという環境で思う存分運動したり出来る。そうかと思えば、プレジャー・ステーションといい、プラレールやブロックが置いてあって、好きに遊んでよいとなっている。その他いろいろあるが、ウチの初孫ちゃんは、この二つにしか興味がないので、この施設に行くとこればかり。プラレールはともかくとして、アドベンチャーの方に付き合うと、私も少しは走ったり飛んだり跳ねたしなければならないので、もう60歳台半ばに差し掛かろうという身には辛い。文字通り身体がガタガタになる。しかし、気分爽快になるのは確かである。

近所の花、コスモス





3.買い物は楽し

 買い物は何でもそうなのだけれど、買ってからその物を使い始めてから嬉しいのはもちろんである。しかしその前に、いったい何を買おうかどれにしようかなどと色々と品定めをする過程もまた楽しい。私は4年前にオリンパスのデジタル一眼カメラであるE−P1を買い、2年前にそれをE−P3に買い換えた。これで、それまでのコンパクトデジカメ時代とは比べ物にならないほど良い写真を撮ることが出来るようになって、大いに満足したのである。ところが、人間というのは幾つになっても欲というものが失せないもので、このオリンパスのカメラを使い慣れてくると、あれやこれやと欠点が目に付くようになった。

 最近の切なる願いは、孫たちの良い写真を撮りたいというものである。とりわけ初孫ちゃんは、いたずらしようとする直前に一瞬キラリと妖しく輝くその目がとても魅力的だ。それを撮ろうとするのだけれど、すぐに表情がコロコロ変わってしまうから、連写枚数が一秒間に3枚程度ではとても役に立たない。その上、ちょこまかとよく動く本人をカメラで追いかけようとしても、焦点が合うのが遅くて付いていけない。それでは、写真ではなくてビデオに残そうとすると、初孫ちゃんがちょっと動いただけでオートフォーカスが働いて前や後ろへと合焦しようとするから、焦点が合うまでボケ続けてビデオ画面が台無しになる。だから、このオリンパスのカメラのままでは駄目だなと思い始めた。

 また、E−P3では、夜景の撮影が今ひとつなのも、不満の種だ。せっかく重たい三脚を担いで行っても、これでは思い通りの写真が撮れない。その反面、太陽の光が燦々と降りそそぐ環境では、美しい写真を撮ることができる。しかし、夕暮れ時や部屋の中のような撮影環境が良くない時や所では、専門家のいう空気感なるものが全く出ないのだ。それに、かつて航空ショーに行った時にはがっかりした。ビューンと高速で飛んで来る戦闘機に焦点が合わない。仕方がないのでそのまま適当にシャッターを押すと、ぼけている上に、そもそも連写速度が遅いから、画面上では尾翼しか写っていないという惨々たる有り様。その結果まあまあちゃんと撮れたのは、飛行中でも鈍足の輸送機とヘリコプター、それに地上滑走中の戦闘機だけであり、何のために行ったのか分からなかった。

かえるの看板


 とまあ、そういうことで、新しいカメラを買おうと色々と品定めをした結果、三つの製品を候補にした。第一は、オリンパスのE−P5という上位機種。第二は、つい先月末に発売となったキヤノンのEOS 70D。第三は、ニコンのD600である。

 (1) まず最初のオリンパスのE−P5だけれど、今年(2013年)6月の発売でまだ新しい機種だ。これにするともちろん現在のE−P3のレンズはそのまま使えるし、カメラの使い方も分かっているから、移行をスムーズに出来る。E−P3とE−P5とを比較すると、撮像素子は1230万画素から1600万画素へ、シャッターユニットは最高1/4000秒から1/8000秒へ、Wi−FiなしからWi−Fi対応へと進化している。これで標準望遠レンズとカメラのセットで9万円強と、かなり安い。しかし、フォーサーズはあくまでもフォーサーズだし、あまり変わり映えがしないのが不満である。

 (2) キヤノンのEOS 70Dも、今年の8月28日の発売で、こちらは文字通り本格的デジタル一眼レフだ。出たばかりとあって、レンズセットが14万円くらい。撮像素子はAPS−Cサイズで2020万画素、オートフォーカスは19点のセンサーで、焦点合わせは早いという。しかも、一秒当たり最高7枚の連写が可能らしい。動画も焦点合わせがなめらかで追従性が高いとのこと。これで決まりという気もするが、APS−Cサイズではなくて、フルサイズのカメラが欲しい気もする・・・ということで、次の(3)機種も検討した。

 (3) ということで、フルサイズ機種のニコンのD600であるが、これは昨年の9月29日の発売だ。一年経っているから価格はそれなりにこなれてきていて、フルサイズの割には15万円である。撮像素子は2466万画素で、これだけを見るとキヤノンのEOS 70Dとさほど変わらない。ただまあ、最近発売されたカメラのように、スマートフォンとの連携はない。もちろんWi−Fiなし。あと一年すれば新しいカメラが出そうだから、そうするとがっかりするだろうから、やはり止めておこう。

 というわけで、(2) キヤノンのEOS 70Dを注文することにした。EF−S18−135mmとのレンズキットと、それから超望遠レンズであるEF−70−300mm、レザーケースやSDHCメモリーカード、レンズフードに予備のバッテリーなどをアマゾンで合わせて買い、総計で24万円ほどの買い物となった。配達されて手元に来るのが楽しみである。




(2013年 9月20日記)


カテゴリ:エッセイ | 22:20 | - | - | - |
初孫ちゃんと金沢八景花火大会に行く

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園



 金沢八景花火大会(写 真)


  8月の末日、神奈川県金沢区で「第39回金沢まつり花火大会」が開催されるようだと聞き、その近くについ最近まで住んでいた人のことを思い出した。その人に電話をして花火大会の様子を聞くと、「あれは良いですよ。砂浜に座って見られますからね、小さい子連れにはお勧めです。ただし、遠いですけれど・・・」とのこと。我が家からどれくらいかかるのだろうと思ってアプリ「乗換案内」で調べると、1時間半ほどで着く。これくらいなら問題ないと、行くことにした。初孫ちゃんの手を引きながら千代田線で大手町にて乗換えて三田に行き、そこで都営浅草線快特に乗って泉岳寺経由で京急本線で金沢八景、そこからさらに金沢シーサイドラインというモノレールの二つ目の駅である海の公園南口で降りれば良い。 いろいろな乗り物に乗るから、初孫ちゃんも喜ぶだろう。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


  さてその当日、天気は心配なさそうだ。余裕をもって1時間前に着くように出発した。いろんな電車ばかりでなく、モノレールにも乗れて、初孫ちゃんは大いに満足していた。よしよし、ここまでは目論見通りだ・・・海の公園南口駅に到着した。どうやらここは、本物の海水浴場らしい。モノレールを降りた途端、プーンと磯の香りがする。教えられた通りに浜辺に向かうと、たくさんの家族連れが思い思いにレジャーシートを広げて座り込んでいる。我々もその中に混じって折り畳み椅子に並んで腰掛けた。しかし、ここで思わぬ問題が発生した。肝心の折り畳み椅子が浜辺のさらさらした砂にめり込んでしまって、椅子の役割を果たさないのである。体重の重い私だけかと思ったら、初孫ちゃんですらそうだった。何とか座る位置と座り方を工夫して何とか椅子にとどまったが、最後まで違和感が残った。しかし、レジャーシートを持参していなかったので、止むを得ない。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


 砂浜の真正面が八景島シーパラダイスで、入り江のようになっている海の向こうに高い塔や青く光ったジェットコースターが見える。なかなか景色が宜しい。とても開放的な気分になる。初孫ちゃんもベラベラと何でも喋ってくるので、やはり気分爽快らしい。ただ、海風がちょっと強い。でも、上衣を羽織るほどではない。二人でそれぞれ好きなパンを食べていると。アナウンスがあった。「本日はようこそ花火大会にお越しくださいました。現在、強風のため、開催するかどうかを協議中です。すると、浜辺に座っていた人達から一斉に「えええーッ」という悲鳴が上がった。私は7月末の立川花火大会に引き続いて、今季二番目の無駄足かと思ったが、まあ何とかなるだろうと高をくくって、そのまま待った。すると開始5分前になって、「開催することになりました」と嬉しいアナウンスがされ、見物人から思わず拍手が上がる。私の横にいる初孫ちゃんも分かったようで、満面の笑みを浮かべてパチパチと手を叩いていた。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


 午後7時になり、いよいよ花火大会が始まる。突然、海に浮かぶ台船から、シュルシュルと一発の花火が上がった。それを皮切りにズドーン、ヒューヒュー、バババーッと色とりどりの花火という花火が連続で打ち上げられた。それが目の前の海面に反射して、実に美しい。特にスターマインが打ち上げられると、この花火は高さはそうないけれど、赤や青や緑や白熱電球のような様々な色のたくさんの花火が連続して上がって行くので、海面がそれだけの色で次々に染まり、いやもう、その素晴らしいことといったらない。初孫ちゃんも感動したようで、スターマインって、良いね。おじいさん、連れて来てくれて、ありがとう」と言ってくれたほどだ。こんな小さな歳の子には、なかなか言えないセリフだと思った。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


 見物の傍ら、三脚を立てて写真とビデオを撮った。花火大会の写真で困るのは、次はどんな花火か見当がつかない点である。それが高く上がる尺玉花火だとカメラの画面内には収まり切れない。反対にキャラクターやハートマークなどを表わす創作花火の類は、高さが低すぎて小さく写り、画面の上半分が暗い空となって、間が抜けた感じがする写真になる。もちろん上がっていく花火の上昇速度や線の大きさを見て、それが高い花火かどうかを瞬間的に判断して三脚上のカメラの向きを動かせば追尾できなくはないのだけれど、隣に初孫ちゃんがいて常にちょっかいを出してくる状況の下では無理というものだ。その点、この花火大会は親切で、事前に花火のことをアナウンスしてくれる。特にスターマインの場合は非常に助かった。この花火は、ビデオに撮るのが最適である。というのは、スターマインは本体の花火はもちろん美しいが、それだけでなく海面に投影されたように映るその花火の影像も美しい。これも一緒に撮ると素晴らしいシーンとなるから、その画面上の位置決めが大事で、予めカメラをきちんと定位置にセットしておく必要があるからだ。こうやって何本もスターマインのビデオを撮り、家に帰ってきてからも、暇にあかせて初孫ちゃんと観ている。妙なことに二人の共通の趣味を持ったものだ。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


 そうそう、初孫ちゃんの得意技にますます磨きがかかるようになった。事前のアナウンスに「これから、スターマインを始めます」というのが加わり、それからサランラップの打上げ台の筒の下から上へと両手を動かしつつ「ヒューッ、ウーゥーッ」というお得意の高周波音の叫びを続けた後、間を置かずに「パパッ、パパッ、パッ」とやる。しかもそのとき、高く上げた両手をひらひらさせながら舞い落ちるように動かす。初孫ちゃん、誠に芸が細かいのである。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園







(2013年 8月31日記)


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