皇居北の丸公園の桜
2010.03.31 Wednesday | by 悠々人生
きょうは天気がよいし、黄砂も飛んで来ないようなので、ここしばらく見たこともないほどの青空となった。残念ながら染井吉野はまだ四分咲き程度で満開とはいかないが、その他の山桜や枝垂れ桜などの早咲きの桜はもう盛りを過ぎる頃である。青空を背景に写真を撮ると、桜の白さやピンク色がとても引き立つ絶好の写真日和である。皇居の北東側の竹橋から内側に入って、北の丸公園を南から北へ歩くことにした。これは、山桜系だろうか、今が満開となって、溢れんばかりに花が四方八方に付いている。また、ピンク色系もあって、中心部は赤い。その名を知りたいが、残念ながら、手掛かりはない。
さらに行くと、辛夷(こぶし)が咲いていた。演歌の北国の春で一躍有名になった花である。一見すると白木蓮そっくりであるが、あちらは花びらが十分開かずに落ちるようであるが、こちは五弁の花びらがしっかりと開いて咲く。青空を背景に、真っ白な辛夷の花びらがたくさん咲いている様子は、人の心を打つようである。なるほど・・・それで、これが咲いていた故里を思い出す歌というわけか・・・わかるような気がする。
あれあれ、この黄色い花は、あまり見たことがない。葉は桜そっくりだが、花の形は明らかに違う。先週、二宮の吾妻山公園で見た連翹(れんぎょう)とはまた違う花だ・・・ということで調べてみたところ、これは土佐水木(とさみずき)という満作(まんさく)科の花であることを確認した。ネットでは、花言葉は「清楚」「にぎわい」とされている。良く茂るので、垣根の木に適当だという。
おやまた、これは絢爛豪華な枝垂れ桜である。ちょうど、インターの入口前という気の毒な位置にあるが、その大きさといい、枝ぶりといい、個々の桜の見事さといい、私が絶賛した六義園の枝垂れ桜に勝るとも劣らない。とりわけ、青い空と桜のピンク色を対比すると、まるで一幅の絵画を見ているようである。惜しまれることはただひとつ、生えている場所が悪いことのみで、この桜のせいではない。後からこんなところに首都高の入口を作ったのが悪いのである。もしこの枝垂れ桜が北の丸公園の中心部にあったとしたら、絶大な人気を誇る桜となっいたことだろう。
大きな武道館を通り過ぎて、田安門でお濠に架かっている橋・・・というか土手に咲く桜を撮ったもので、両側から橋の上に覆いかぶさってきていて、これぞまさしく桜のトンネルというに相応しい。その中を腕を互いの背に回して歩くカップル、そんな時代をはるかに超越している中高年の二人連れなど、色々な年代の人たちがたくさんブラブラと散歩している。そのような人々に混じって私のように、短いお昼の時間を有効に使おうと、バシャバシャとシャッターを切って歩いて駆け抜けるなどという人種は、あまりいなかったので肩身が狭い思いをした。
さて、田安門の土手を渡って対岸に着き、振り返って田安門の櫓を眺める。右下にあるのは、また明日にでも撮りに来ようと思っている千鳥ヶ淵濠の端の部分である。桜が満開を少し過ぎた頃に、この千鳥ヶ淵濠でボートを漕ぎ、風が吹いて来て散り始めるときの桜の花びらをボート上から見上げるというのが、最高の花見だと思う。しかし、残念ながらまだ私は現役で仕事中なので、それはリタイアした後の楽しみにとっておきたい。
ちなみに、この機会に桜の種類を勉強しようとして、ネット上を色々と調べたところ、ネットに掲載されたものとしては、公益財団法人「日本花の会」による桜380品種についての「桜図鑑」というものが、参考になった。しかし、桜の現物を東京で見たければ、高尾に独立行政法人森林総合研究所「多摩森林科学園」という公的な機関があって、約250種類、約2000本の桜が保存目的で植栽されているので、こちらに行くとよい。かなり以前のことになるが、実は私も現地を案内していただいたことがあり、桜の種類の多さと美しさに感嘆したことがある。どなたでも入れて、しかも高尾駅北口から徒歩でわずか10分程度という便利なところにあるので、ご関心がある方には、是非お勧めしたい。
【追 加】皇居大手門の枝垂れ桜
さてこれは、皇居大手門に咲く枝垂れ桜である。この写真は、4月9日に撮ったもので、いつも染井吉野より10日から2週間ほど遅れて満開となる。小ぶりな枝垂れ桜であるが、年々、姿形が成熟してきて、あと10年もすればこの辺りの柳の木を押しのけて、大手門の名物になること請け合いの桜である。また、最近は、この大手濠でも白鳥を飼っていて、雛が生まれることもあり、それがまた可愛い。
ということで、ここはお勧めの桜の見物ポイントなのであるが、残念ながらこの2年ほどは、この枝垂れ桜が並ぶ外堀通りで、ちょうどその桜の木を覆いかぶさるようにして、何かの工事中のである。だから、せっかくの皇居お濠とその水面に映えるピンクの枝垂れ桜という素晴らしい景色が、工事用の柵や機械に邪魔をされて、十分に堪能できないことが残念なところである。
大手門枝垂れ桜と白鳥( 写 真 )は、こちらから。
(2010年3月31日記、4月15日追記)