徒然071.ヒラリーのクルミ割り人形
2007.11.30 Friday | by 悠々人生
昨日、仕事が比較的余裕があったので、いろいろな新聞を眺めていたところ、東京新聞に妙な記事が載っていた。民主党のアメリカ大統領候補ヒラリー・クリントンそっくりの人形があって、その股のところで「クルミ」を割っているのである。つまり、ヒラリー・クリントンのクルミ割り人形というわけである。かつてイギリスに、鉄の宰相といわれたマーガレット・サッチャーがいたが、もしヒラリー・クリントンがアメリカ大統領になれば、それ以上の実力を発揮すると巷間いわれていることは、ご承知のとおりである。
単にクリントン前大統領の配偶者というだけでなく、それほど賢く、また力強い女性であり、アメリカを代表する知的エリートである。しかし、それだけに敵もけっこう多くて、対立する共和党支持者はもちろんのこと、民主党支持者の中ですら、なかなかまとめきれていない。民主党内の指名をめぐってオバマ議員と相争っており、ここのところ若干リードはしているものの、まだ決着がついたとは到底いえない。
このヒラリー・クリントンのクルミ割り人形は、そういう政治状況をよく表している。また英語で「NUT(クルミ)」のスラングの意味を考えれば、ちょっと下品だがその位置もぴったりで、これを女性たるヒラリーがバキッと割るというのも、男勝りの象徴のようなものである。それやこれやで、呆れてしまうというか、まあなんというか、ホントに出来すぎた話である。こんなものをよく思いつくなと、ほとほとあきれるほどであるが、それにしても、写真を見たら思わず笑いがこみ上げてきた。
もっとびっくりしたことは、これを24.95ドルで売り出していることで、通販のサイトまである。まあ、百聞は一見にしかずであるが、そのプロモーションビデオも、実に面白い。それにしてもこれは、日本的にいえば肖像権の侵害というところだが、ヒラリー・クリントンの選対本部の許諾を受けているのだろうか? 無視して放置しているとすれば、なかなか太っ腹、当選も夢には終わらないだろうと思う。
(2007年11月29日記)
【後日談】
ヒラリー・ローダム・クリントン(61歳)は、その後、民主党内で急速に支持を伸ばした黒人のバラック・フセイン・オバマ・ジュニア候補(47歳)に僅差で破れ、アメリカ大統領選挙からの撤退を表明せざるを得なかった。2008年6月7日のことである。初の女性大統領となるのではと注目されていたが、その願いは虚しくついえた。その後、一時は副大統領となると噂されたが、8月23日、オバマは結局のところジョー・バイデン上院議員を副大統領候補に選び、これでヒラリーが次期政権に入る可能性は全くなくなった。
ヒラリー・クリントンの自伝を読むと、その最初の挫折は、高校時代に生徒会長に立候補した時のことである。男子生徒の中に混ざってただ一人、女子生徒として立候補した。クラスメートの男子生徒からは、「女のくせに、生徒会長になれると考えるなんて本当にバカだ」と吐き捨てられたという。その結果、当然に落選の憂き目にあう。ところがヒラリーは、当時の生徒会長から頼まれて生徒会委員長の役を任された。この役を通じて、学校のパレードやダンスの催しなど、学校の組織運営を心から楽しんだ。それ以来、リーダーとしての頭角を現し、女性として、数々の壁を打ち破ってきたという。しかしながら、そのヒラリーにしても、結局、ガラスの天井を破ることはできなかったというわけである。
しかし、バラック・オバマが共和党のジョン・シドニー・マケイン3世候補(71歳)に勝てば、初めての黒人大統領が誕生する。女性大統領は、その次、つまり早ければ4年後、遅くとも8年後に、請うご期待ということになるが、ヒラリー・クリントンはどうなっているか・・・。今回、返す返すも惜しいチャンスを逃したという気がする。
(2008年8月26日記)
(参 考)ちなみに、この写真は本文中の通販のサイトからいただいたものであるが、その趣旨からして、皆さんに宣伝してもらおうというのではないかと思い、特に使用の許諾は得ていない。