狂言と京舞


 先月下旬に、家内と大阪京都に旅をし、風景、文物、お寺などを見に行ってきた。その際、一番感動したのは、やはり古都の京都であった。蹴上の都ホテルに泊まり、昼間はあちらこちらの寺社仏閣を参拝した。夕暮れになると先斗町界隈をそぞろ歩きをし、最後の日は花見小路を下り、祇園コーナーまで行って伝統芸能をお手軽に見てきたのである。その中で、面白かったのは、狂言と京舞であった。

 狂言「棒縛り」のさわり………自分が留守にすると、二人の家来、太郎冠者と次郎冠者が大切な酒を飲んでしまうのに頭を悩ませていた者人は、ある夜、一計を案じた。まず太郎冠者の両腕を広げさせて棒にしばりつけた。次いでそれを笑いながら手伝った次郎冠者の手も前にしばり、そうして主人は、安心して出かけた。しかし、そんなことで怯むふたりではない。不自由な手で戸を開けて、太郎冠者がまず次郎冠者に酒を飲ませる。そして、次郎冠者も太郎冠者に飲ませ、大いに歌を歌い、主人が帰って来る頃には、すっかり酔っぱらっていたというもの。



 京舞……… 舞踊のうち、「踊り」とは江戸時代に始まった歌舞伎の系統を引く。これに対し、「舞」は京都などの関西で発達していったものである。踊りは体の動きで表現するのに対して、は省略された動きの中で豊かに表現しようとしたという。京舞はもちろん後者の系統で、座敷芸として宮廷風の品の良さを取り入れて、雅た動きを示す。毎年春の「都をどり」は、優雅、豪華、絢爛というにふさわしいというもの。この日の二題のうち、何といっても「祇園小唄」がいい。今や、祇園を象徴する踊りとなっている。



 祇園小唄       長田幹彦作詞・佐々紅華作曲

1 月はおぼろに  東山
  霞む夜毎の   かがり火に
  夢もいざよう   紅桜
  しのぶ思いを  振袖に
  祇園恋しや    だらりの帯よ

2 夏は河原の   夕涼み
  白い襟あし   ぼんぼりに
  かくす涙の   口紅も
  燃えて身をやく 大文字
  祇園恋しや   だらりの帯よ

3 鴨の河原の   水やせて
  咽ぶ瀬音に   鐘の声
  枯れた柳に   秋風が
  泣くよ今宵も   夜もすがら
  祇園恋しや   だらりの帯よ

4 雪はしとしと   まる窓に
  つもる逢うせの 差向い
  灯影つめたく  小夜ふけて
  もやい枕に   川千鳥
  祇園恋しや   だらりの帯よ






舞妓さんの舞(ビデオ)






(2007年2月15日記)



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グーグル検索第1位




1.グーグル革命の衝撃

 先ごろのNHKの番組で、アメリカの検索大手グーグル(Google)の光と影を放送していた(注)。今からわずか9年前の1998年に登場したグーグルは、それまでの検索エンジンがポータル・サイト化へ進むのとは反対に、その独創的な検索技術、バナー広告のないシンプルな画面、ヤフーのロボット型検索エンジンへの採用などによって急速に台頭し、現在ではウェブページの検索の分野で世界トップの座を占めている。

(注)2007年1月21日放送のNHKスペシャル『グーグル革命の衝撃 〜あなたの人生を"検索"が変える〜』

 確かに、私が普段使う検索エンジンはグーグルである。その理由は、検索が非常に早いうえに求めるページが上位に出てくるからである。検索結果に「知性」のようなものを感じさえする。検索エンジンといえば、それまでは大昔の京都大学作のMondouから始まって、 ディレクトリで検索するYahoo!とかNTT DIRECTORYを使っていて、結果がでるまで遅くて待ちきれないとか、求めるものがちっとも出てこなくて時間の無駄だったとか、不満がいろいろあった。ところがグーグルになって、そういうストレスとはほとんど無縁となった。これは相当に高度な検索技術である。

 それと、つい2年ほど前に私がいたく感心したのは、グーグル・アース(Google Earth)である。これは、世界のどこでもその住所を入れると、衛星写真が出てくるもので、地図と重なって出すこともできるから、自分の行きたいところの様子がよくわかる。アメリカの友達の家までが、上空から1〜2センチ角で見えるのには、驚いた。そして昨年またこれがパワーアップして、何とこの写真が立体的な俯瞰写真で見えるようになった。富士山などの山をこれで見ると、まるで鳥になって大空を羽ばたいているような気分がする。ここまでいくと、驚きを通り越して、呆れてしまった。

 それから、検索本体でも、単なる単語の検索にととまらず、ニュース、図画などにも検索対象を拡大した。そのほか付属サービスでも、かねてから行っていたgメールという大容量のフリーメールを一般に開放したし、フリーのブログも始まった。フリーの使いやすい写真編集ソフトを提供するし、その他もろもろのことをやり、ともかくこの1〜2年でサービスが爆発的に拡大し始めたのである。単なる検索屋ではなくなった。それこそ、大化けをしたのである。これはすごい企業だと思ったのは、私だけではあるまい。

 その一方、巨大化に伴ういろいろな問題点が指摘され始めた。いわく、「検閲をしている。」というのである。たとえば、英語で天安門の写真を検索すると、民衆を弾圧する戦車がたくさん出てくるが、中国語で天安門を調べると、そんなものは一切出てこない仕組みとなっている。これはアメリカ議会でも問題となった。

 それに、村八分ならぬ「グーグル八分」ということも番組で取り上げられた。グーグルが検索妨害行為と判断した(らしい)サイトを、どうやらグーグルが意図的に検索結果から外しているようなのである。企業などではグーグルの検索結果がその収益に直結しているため、こうなると死活問題となっているケースもあるという。これというのも、グーグルが行っている検索結果の表示方法や検索妨害行為の排除方法などの基準が公表されず、不透明な手続で行われているとして、名誉毀損でグーグルを訴える企業も出てきた。そこまでに至らなくとも、グーグルで妨害行為と判断されるスレスレの線までやって、検索結果の上位になりたいと努力する企業も出てくるし、そのための専門のコンサルタントもいるというのである。


2.私の「悠々人生」が第1位

 「何とまあ、すごいことになっているなぁ」と感じ、その番組が終わったあと、ふと思いついたことがある。それは、私自身のこの「悠々人生」の言葉で検索すれば、何が結果として出てくるのだろうかというものである。というのは、「悠々人生」の前身時代に、ヤフーにその登録を申請したところ、うんともすんとも言ってこなかったことがあるだけに、どうせ同じだろうと考えて、これまで自分のホームページの検索をするなど、思いつきもしなかったからである。

 ということで、グーグルに「悠々人生」と打ち込んで、Enterボタンを押したところ、たちまち89万3000件の検索結果が現れた。検索に要した時間はわずか0.48秒。あらかじめ検索をしておいてそのデータをどこかに蓄積しておかなければ、こんなことはできないはずである。それはともかく、本文に目を通すと、予想もしなかったことになっていた。私のこのホームページが、検索結果の第1位として出てきたのである。キャッチフレーズも「悠々人生 〜 都会の知的なエスプリと趣味の世界へのご招待」などと、ちゃんと載っている。正直いって、実にうれしかったのなんのって、お赤飯を炊いてお祝いしたい気分であった。

 ただまあ、問題がなきにしもあらずで、検索結果があまり美しくない。シニアリーグの案内の「 < ・ Next5>>」が載ってしまっているし、「 (出 典) Java Dropdown Menu (Evgeny Novikov 様)」なども掲載されてしまっている。このあたりが今後の改善のポイントかもしれない。しかし、下手にさわると検索妨害行為などと思われて第1位どころか検索から排除されても困る。確かに基準が不透明なのは悩ましいところである。私の場合は個人の趣味にすぎないが、これが企業の場合だったら、それこそ死活問題であろう。なるほど、これがグーグル八分の問題につながるのかと、思わず納得してしまった。

 ところで、それでは第2位以下はどうなっているのだろうかと、気になった。何か一般的な法則性のようなものはないのだろうか。その前に、私のホームページの強みは、123本のエッセイ、65ヶ所の写真、45本のビデオ、46本の動く芸術を合わせて840メガバイト、それにブログもあるという、質と量ともに他を圧倒しているところである。個人でこれほどのサイトは、あまりないと思う。しかしながら、弱みは、閲覧のアクセス数が少ない点で、今日現在でわずかに19,680ビューにとどまっている。もちろんこの中には、私自身が確認のために見ているものも含まれているので、実際ほかの人に見ていただけた件数は、もっと少ないのである。ということを踏まえて、「悠々人生」の検索結果を順次調べていくこととした。検索上位となるファクターの仮説として、内容の高度さと豊富さ、アクセス回数とリンク数の多さ、内容の鮮度などが考えられる。

 第2位「北浜流一郎の「株で資金倍増、悠々人生を。明日に向かって撃て ...北浜流一郎の「株で資金倍増、悠々人生を。明日に向かって撃て」. 株式投資で自由獲得、豊かな日々を過ごす人々が住む天空の「株リッチ島」。その島へ株式アドバイザー北浜がご案内。特に通常投資で資金倍増を目指すのに役立つ「株利益増加法」を紹介し、 ...blog.livedoor.jp/orion3/」
 → 1943年生まれの株式アドバイザーの方の株式指南のブログらしい。株式関係など内外の経済政治の情報が満載である。その方面が好きな人には、人気があるのではなかろうか。だからアクセス数は多かろうが、その反面、株式投資に関心のない人には無用の長物だろう。しかし、こんな情報の中身など、グーグルは判別しているのだろうか。一説によると、他のホームぺージへのリンク数が検索上位となるコツだという。実は私のホームぺージにも期せずしてたまたまそのような箇所があるのである。図柄などのHP素材を使わせていただく際に、その著作権者のホームぺージへのリンクが義務付けられている場合があり、そのページをひとつにまとめている。しかしそれは、第1位となった玄関口(index.html)とは違うページで、その下位に当たる階層のページなのである。それがグーグル的な評価の対象となったのかもしれないが、よくわからない。その点、この北浜流一郎さんの場合はどうなのだろうか。ブログだから、リンクがないと思いきや、読んでみると結構あった。記事の両側に本の宣伝などがたくさんあるではないか。もしかすると、これも検索上位のコツなのか、いやどうなのだろうか。なお、更新は頻繁に行われているようだ。

 第3位「壮快悠々人生/ウェブリブログプロフィール. ブログ名: 壮快悠々人生; ブログ紹介: 8年前、大病をし退院後花壇に興味を持ち、毎日水遣りや、花の管理をしています、これらの草花より、鋭気と生きがいを貰って、悠々人生を送っています。 ...hirozou.at.webry.info/ 」
 → これもブログで、著者の表書きを使わせていただくと「8年前、大病をし退院後花壇に興味を持ち、毎日水遣りや、花の管理をしています、これらの草花より、鋭気と生きがいを貰って、悠々人生を送っています。」ということらしい。表紙を飾るシュガーちゃんという綺麗な犬と、四季折々の花を愛でて生活をされている方である。文章も写真もHP作成技術も、すばらしい。美しくまとまったホームぺージといえる。ということで、内容は一流、しかしさほどリンクがあるとは思えないし、アクセス数はわずか5,307である。これで検索上位なのはなぜなんだろう……ブログであるせいかも……いや、単にブログであるだけでは足りなくて、更新が頻繁になされているからかもしれない。

 第4位「素晴らしきかな悠々人生 『岩のように自分に厳しく、森のようにひとに優しく。』lungeman.exblog.jp/」
 → プロフィールが見つからないので著者は不明であるが、記事の内容からして大学院を出たばかりらしき方の日記である。内容は文字通り日記そのもので、失礼ながら高度な芸術性があるとはとてもいえないので、内容点のようなものがあるとすれば、高くはないはずである。いずれにせよ、グーグルはロボット型検索エンジンなので、やはり内容なんて見ていないはずである。とすれば、リンクかアクセス数かであるが、前者はあまり見当たらないし、後者もコメントがあるものの、さほど多くない。うーむ、やっぱり検索上位の理由がわからない。ブログであるせいだとしか思えない。

 第5位「遊びの舞台裏日記| 悠々人生を目指す人 ⇔そば大好きな横田にとってじゃがいもさん同様に、俳句川柳も含めたたかが蕎麦されど蕎麦への広がりを教えていただける、まさしく悠々人生を目指し 乾杯 熱燗 ...takoyo.blog.drecom.jp/category_74/ 」
 → 満州で生まれ、5人の家族で、好奇心旺盛な毎日納豆と牛乳を欠かさない元気な男の人のブログである。それも、まるで全面が広告のようである。これで、グーグルは内容を見ていないことをいよいよ確信した。

 第6位「徳丸虎龍の悠々人生 ... 年が明けたといっても、特に何の感慨もない人生を過ごしておる徳丸虎龍です。新年一発目ということで、やはりこの人たちの話題しかないでしょうハイおなじみRadioheadです。まずはこちらのニュースをどうぞ。 ...blog.goo.ne.jp/t-kotatsu 」
 → これも個人の日記そのもののブログで、内容には立ち入らないが、確かに一生懸命書いていらっしゃることは認めるし、その数の多さには感心した。更新も頻繁である。そのせいかなぁ……。

 要するに、私の記事以外、第2位から第6位を通り越して第12位まで、すべてブログなのである。そして驚いたことに、第13位に、私のエッセイの中の「愛宕山ゼックス」がひとりポツリと出てきた。正直いって、私のエッセイの中でこの文章の成績をつけるとすれば、5段階評価で1か2なので、いささか恥ずかしい気がする。こんなものが検索されるなんて、なぜなんだろうと思う。それからさらに行くと、これも私の写真集の玄関口である「フォト・ギャラリー」が出てきた。これは、まあ順当なところである。ここを見れば、私のすべての写真を見ることが出来るからであるが、これを検索結果とするなら、ビデオやエッセイの玄関口も載せていただきたいものである。そして、これから先は、「人生」と「悠々」との組み合わせや、「人生悠々」というのも出てきて、玉石混交となっていった。要するにわかったことは、ブログの方が上位に来るということである。こんなことでいいのかと思うが、確かにブログの方が更新が早いし、それだけ情報が新しいということなのかもしれない。


3.ヤフーで検索

 さてそれでは、グーグル以外の検索サイトではどうなっているのだろうか。試験の結果をみる中学生時代の自分に戻ったような気で、検索ボタンを押してみた。まず、グーグルのライバルであるヤフーである。第1位は、グーグル第3位であった「壮快悠々人生」さんであり、私のホームページは、堂々の第2位である。よしよしと……いやいや、これは悠々人生ブログの方である。実は、悠々人生の中で徒然の記をブログ形式として、その際に新しいエッセイも入れ込んでしまったものを作った。本体をさておいて、そちらの方が先に検索結果に載っている。めでたさも中くらいというところか。そして第3位は、これまた私の徒然の記025の二胡の演奏会である。なぜこれだけが取り上げられるのか、よくわからない。リンクもないはずである。以下、新顔がいるので続けると、

 第4位「倉田てんぐの日々これ悠々人生  2006-11-29 病院へ行って来ました。 今回の病院はまったく検査のために・・・ です。 今回は「胃」「大腸」「肺」その他「血液検査」および「尿」について ...d.hatena.ne.jp/kurata_tengu」
 → 個人の方らしいが、サーバーはメンテナンス中でつながらなかった。第6位も同じ方。

 第5位「悠々人生  シルバーエイジを迎え、趣味を通じて更に元気いっぱいの人生を送ろうとする仲間に入れて下さい。ニックネーム. kmino2000. 嘱託. 誕生日. 2月1日. 性別. 男性. 出身地/出身校. 法政UV ..www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/4938」
 → どうやら、メンテナンスが適切にされていないようで、ゲストブックには妙な書き込みかある。アクセス数は2,969である。なぜ検索結果上位にくるのかがわからない。

 第7位「悠々人生 淡々と~時が過ぎて~ 日常の事、特にパソコンを始めて今楽しんでいます。blog.goo.ne.jp/gunmakoto/e/46c7c4d4be3dd104adbad07d4150fe42」
 → 脳腫瘍の方らしくて、日常の出来事を淡々と書いていらっしゃる美しいブログである。これからも、お体を大切にしていただきたい。

 第8位「徳丸虎龍の悠々人生」
 → グーグル検索第6位の方と同一である。

4.その他の検索エンジン

 さて次に、goo(グー)の検索ボタンを押してみたら、次のとおりであった。ヤフーと同様で、まあ、それほど違和感のない結果である。

 第1位 北浜流一郎さんで、グーグル検索第2位の方と同じ。
 第2位 自分流の人生を過ごそう!(悠々人生塾)
 → 新顔で、「人生を愉しく過ごすことを提唱し、そのために必要なゆとり(心&財力)をどうしたら得ることができるかを提案するブログです。あなたも、人生をもっと愉しみませんか。余裕で人生を過ごす。そのためには何をすれば良いかを提案するサイトです。」というブログてある。
 第3位 私の「悠々人生」の本家本元
 第4位 壮快悠々人生さんで、グーグル検索第3位の方と同じ。

 最後に、マイクロソフトの Windows Live Search では、次のようになった。ところがこの検索エンジンは、検索するごとに検索順位が変動するし、つながらないものも表示するし、検索順位の理由がまったく想像もつかないなどで、総じて信頼性はあまり高くないと考えてよいものと思われる。

 第1位 http://www.sannet.ne.jp/ となっていたが、ホームページは見つからない。
 第2位 人生 歌集紫蘇の香1
 → 新顔で、「人生悠々」ということで、歌集、オカリナ、作詞などのある趣味のホームページだが、トップにJavaが仕組まれているために、待つのに閉口し、とうとう中身を見ないで閉じてしまった。ちなみに、アクセス数は10,390である。
 第3位 私の「悠々人生」の中の写真集のうち「東京大学の秋」である。なぜこれが取り上げられているのかという疑問が残る。東京大学というネーミングのせいだろうか。
 第4位 私の「悠々人生」の中の写真集のポータル・サイトである「フォト・ギャラリー」である。
 第5位 私の「悠々人生」の中の著作権の表示であるが、前述したとおり、ここにパブリック・ドメインの他人の著作権にかかる図画を使わせていただいたので、その関係のリンクが多数ある。これは明らかに、リンク数の多さから取られたものであろう。

 以上のとおり、期せずして検索エンジンの比較となってしまったが、私のホームページを題材にして調べた結果、グーグルの便利さと信頼性の高さという技術上の優位さは、しばらくは揺るがないものと思われる。




(2007年2月3日記)





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日比谷公園の菜の花




 ついこの間、お正月になったと思っていたら、もう2月に入ってしまった。今年の冬は、とても暖かいのである。地球温暖化のせいかもしれないが、東京は15度、雪国でもあまり雪が降らない。

 金沢の兼六園では、例年通りにせっかく行った雪吊り、つまり積もる雪で樹木の枝が折れないようにと美しい円錐形に縄で枝を吊って支えることをするのであるが、今年は全くの無用のものとなった。青森県の弘前市では、例年の積雪量が80センチというところだが、今年は20センチ程度という。要するに、全国あちこちで、とっても暖かいのである。

 そこで、というわけでもないが、日比谷公園で、もう菜の花が咲いていると聞き、昼休みに見物に行ってみた。なるほど、ぽかぽか陽気であり、もう春の雰囲気といってよい。目指す菜の花は、テニスコートの脇にあった。まだ満開とはいかないが、この写真のように虫が頭を突っ込んでいるほど咲いている花もある。花弁の黄色がいいなあ、葉っぱの模様もきれいだなあ、などと感心しながら写真を撮った。その後、ふと見ると、近くでもう梅の花が咲いているのに気が付いた。残念ながら、香りがするまでには至っていなかったが、青空を背景に、梅の花の可憐さを、併せて楽しんだのである。良い一日だった。









(2007年2月1日記)



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