徒然025.二胡の演奏会

 小石川後楽園では、2月になると、梅まつりということで、いろいろな催しものがある。ちょうど2年ほど前、寒い中をたまたま訪れたときには、琴と尺八の演奏会を開いていた。園内の奥まったところにある小さな東屋で、和服を着た若い二人の男女が、和風庭園に調和した良い音色を鳴らしていたものである。それが今回、二胡の演奏会を開くというので、これまた寒風吹きすさぶ中を家内と二人で出かけて行った。

二胡の演奏会と水仙


 黒い詰め襟服と茶色のシャツを着た短髪の、お若い男性が二人出てきて、演奏会は始まった。詰め襟の人が二胡、シャツの人がギターである。トークショーのような二人の掛け合いによると、二胡は中国のバイオリンと言われていて、その名のとおり、西洋のバイオリンが4弦であるのに対して、2弦しかない。弓は、その弦を挟んでいるので、手を離しても落ちない。横の太鼓の皮のような部分は、ニシキヘビの皮でできていて、ワシントン条約で輸出入が規制されているから、持ち込むのに手続きが大変だという。きょうは、そういう二胡とギターの取り合わせで演奏したいとのこと。

 さて演奏が始まった。最初は「良宵」という曲であったが、伸びやかで音量と音色が豊かである。確かにこれは、バイオリンと同じくらいの表現力に富む楽器であることが良くわかった。日本人にとっては、シルク・ロードのバック・グラウンド・ミュージックの世界といった方がわかりやすいかもしれない。一言で評してしまえば、とても大陸的なのである。途中で奏者は、「古い曲しか弾けないように思われても困るから」といって、最近の曲も弾いていた。

 しばし同じような曲目が続いたあと、最後の曲には驚かされた。中国人ならみな知っている曲で、その題名を「賽馬(競馬)」というらしい。モンゴル的なリズムで始まったかと思うと、途中で「ヒヒーン・ブルブフルブル」と、馬のいななきそっくりの音を出した。これはまさに圧巻で、聴衆が「おおっ!」と、一瞬ざわめいたほどだった。まさにモンゴル平原を疾走する馬を想起させられた。きょうは、これを聞けただけでも、わざわざ聴きに来た甲斐があったというものである。





(2005年2月26日記)



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世界らん展


 2005年2月に東京ドームで行われた「世界らん展」に出展されたラン(蘭)の数々である。写真ではわからないが、会場は、ランの花から出る甘酸っぱい香りに包まれていた。

 聞いたところによると、ランという花は約3500万年前に熱帯雨林に出現した。花の中では新参者であった。誕生した頃には既に熱帯雨林のめぼしい場所は、既に他の植物に占められていた。そこでランがとった戦略は、色鮮やかな花弁や匂いで虫たちを引き付け、特異な形をした構造物で虫の体に花粉を付けて遠くに飛ばすことだったという。それでこの美しい色と形と香りが生まれたのかと納得した。






(2005年2月19日記)




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幕末の戊辰戦争の痕跡


 私の住んでいるところは上野の近くだけに、散歩に歩くとあちらこちらに、歴史を感じさせるものがある。たとえばこの経王寺というお寺は、一見なんの変哲もないありふれた建物である。

 しかし、門前の扉には、小指大の穴がいくつか開いている。これは、戊辰戦争(1868年)のときに、官軍に追われた彰義隊士をこの寺がかくまったために、官軍に攻められて、そのときについた銃弾の跡だという。幕末は歴史のかなたどころか、ついこの間のように思える瞬間である。







(2005年2月11日記)



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クマのプーさん



        外は凍えるほど寒いある冬の休日
        暖かい部屋で クラシックを聞き
        ブルーマウンテンを すすりつつ
        その芳しい香りを 鼻先で楽しむ
        目を上げれば クマのプーさんが
        親子のぬいぐるみで 私を見つめ
        子供のプーさんは 蜂蜜を舐め
        天真爛漫で 美味しそうなこと!

        家内曰く これあなたとそっくり
        そーかなぁ??? まあ、いいや
        反論する気も起らない 気持よさ
        ところで これ、私の家かって?
        いえいえ 自宅近くの行きつけの
        喫茶店での様子です。 またね!





(2005年2月6日記)




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上野東照宮ぼたん苑


 近くの上野東照宮では、「ぼたん苑」というものがあって毎年1月から2月にかけて、このような藁の帽子をかぶり、牡丹を数多く展示している。4〜5月に咲くのならわかるがよりによってどうやってこんな寒い時期に咲かせることができるのか、よくわからない。

 美人を表わすのに「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というのがあるけれど、それにしても、芍薬(シャクヤク)と、牡丹の差が、これまたよくわからなかった。何でもボタンは「木」で、シャクヤクは「草」だとのこと。勉強になった。

 ところで、この写真のボタンは、四方桜(よもざくら)という品種らしい。





(2005年2月3日記)


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