下町のお雛さま
  (平成3年作)
 


  (昭和27年作)



 近くの区立の施設で、区民の集まりがあり、戦災で焼け残った下町らしく、各民家のご自慢のお雛様が飾られていた。もっとも古いのは、昭和3年のもので、近くを歩いていたお爺さんが「俺より古い」といっていたのは、おかしかった。しかし、笑い事ではない。昭和27年製と、私の年に限りなく近いものもあった(実は、私はもっと古い)。このお雛様は、なかなか美しい、きりりとした顔をしていて、感心した。いずれも、かわいい娘のため、心を込めて選んだものなのだからであろうか。

 それはともかく、家内はときどきインターネット電子カードを利用しているが、その中でとても面白いものがあると教えてもらった。

 家内から送られてきた電子カードは、ひな祭りが題材になっている。開けて出てきたお内裏様とお雛様、それに五人囃子にマウス・ポインターをもっていくと、それぞれのところで、笑い声や、鉦、篳篥、囃子声などが聞こえるという凝りに凝ったカードである。コンクールがあれば賞を差し上げたいくらいにとても面白く、ほのぼのとした気持ちにしてくれる。 





(2003年2月18日記)




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湯島天神の梅まつり 


 2月といえば受験のシーズンというわけで、近くの湯島天神には、受験生とその家族で連日にわたり大賑わいとなる。もっとも、賑わっていると思うのは我々外野席の人間の考えであって、受験生と親たちはまさに必死の様相である。奉納される絵馬も非常に大量の数になってきて、まるで駱駝の背のように盛り上がってきている。




 しかしその一方で、2〜3月にかけては、湯島天神の守り神菅原道真公をしのぶ梅まつりの季節でもある。境内にはちょっとした舞台が設けられていて、そこでは講談、日本舞踊に詩吟剣舞、果ては大道芸のバナナのたたき売りの類が毎土日に繰り広げられる。それに混じって、ご覧のような「ベリーダンス」とやらまで演じられているのであるが、いったいどういう考えによるものなのか、さっぱりわからないのである。しかし、この喧噪の加減と支離滅裂さとが、まさに浅草的「下町」というものなのかもしれない。




 それはそうと、面白い絵馬を見つけた。「今年に入って、おみくじで二度の「凶」を引いたので普通の運に変えてほしい」とのこと。いろいろな人がいるものだ。おっとっと、そんなものを見ていると、肝心の梅を見過ごしてしまう。そういえば、境内には、ほのかな梅の香りが満ちている。今年も、いい春が来そうだ。





(2003年2月8日記)




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