徒然014.ADSL来る
 今年の6月19日、孫氏率いるヤフー(まるで、IT戦国時代を象徴するかのような表現で、我ながら滑稽だ)が、インターネット接続に関して従来の常識や価格設定を根底から覆すような劇的な発表をした。それは、ADSLを、初期費用の3,600円 月額 2,830円、しかも最初に加入する百万人までは工事費無料というものである。速度も速くて、下り最大8Mbps、上り最大900kbps、電話線ダイヤルアップ(56kbps)の約140倍の高速通信だという。同じブロードバンドだと喧伝されていた当時の我がマンションのCATVインターネットでは、そのケーブル・テレビ会社は、月5,300円、初期費用19,000円、性能は上り64kbps、下り512kbpsというものを用意していたので、まさに雲泥の差であった。そしてこれが契機となって、日本が世界に誇るブロードバンド時代に突入していったのであるから、世の中わからないものである。

 6月に申し込んでから、ヤフー側からはうんともすんとも何にも言ってこなくて、いったいどうしたかと思っていたところ、8月にサービス開始するというメールが来た。ところが、それでもなかなか返事がない。ようやく10月初旬になって、モデムを送るという連絡がやって来て、それから三日後に届いたのである。待ちくたびれて、あまり感激というものもなかったが、それでも、いそいそと家の電話線に繋いだ。ところが、どうにも繋がらないのである。「WLK」というランプがチカチカと点いているので、説明書によれば、これは電話会社のNTTの方の工事が終わっていないことを示しているという。「やれやれ、やっぱりそうか、安かろう、悪かろうなのかな」と思い、諦めてそのまま放置した。

 それから二週間ほどして、ヤフーから連絡が突然あり、チェックに来るという。日曜日の夕刻に約束したが、予定より早くお昼に来てしまい、私は残念ながら立ち会えなかった。でも、家の者が代わって応対してくれて、分かったことがひとつ。何と私の接続が間違っていたのである。それを直したらその場で繋がったらしく、速度もまずまずで、最大8Mbpsのところが6.32Mbps出たという。いや、それにしても私もお粗末で、その場にいたら恥をさらすところだった。まあ、いずれにせよ、よかったというわけである。

 実際にその6.32Mbpsという速度でモデムと繋いでみると、いやその早いこと早いこと。国内のインターネットのサイトなら、本のページをサッサッとめくっていくような感覚である。試しにインターネット・エクスプローラー新しくしようとして、6.0をダウンロードしたら、わずか1〜2秒で終了してしまったので、びっくりした。この間、電話線ダイヤルアップで5.0を5.5に更新したときには、予定時間で2時間15分、実際には4時間近くかかったのに比べると月とスッポンで、新幹線と自転車くらいのスピードの差がある。加えて常時接続なので、時間を気にする必要もないというのも、気が楽になる。

 というわけで、これを利用してこれからはインターネット・ライフがもっと生活に密着したものになるだろう。新しい時代が到来する予感がするのである。





(2001年10月28日記)



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