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徒然288.浜離宮恩賜公園の春

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 浜離宮に菜の花が満開だと聞き、ぽかぽか陽気に誘われて、行ってみた。いただいたパンフレットによれば「ここは徳川将軍家の庭園で、海水を引き入れた潮入りの池と2つの鴨場を備えた江戸城の出城としての役割を果たしていた。承応3年(1654年)、徳川将軍家の鷹狩場に。4代将軍家綱の弟で甲府宰相の松平綱重が海を埋め立て甲府浜屋敷と呼ばれる別邸を建てた。その後、綱重の子の綱豊(家宣)が6代将軍になったのを契機に、この屋敷は将軍の別邸となり『浜御殿』と呼ばれるようになった。以来、歴代将軍によって幾度かの造園と改修工事が行われ、11代将軍家斉の時代にほぼ現在の形となった。明治維新ののちは皇室の離宮となり、名称を『浜離宮』と変えた。関東大震災や戦災によって御茶屋など数々の建造物や樹木が損傷し、往時の面影はなくなったが、昭和20年に東京都に下賜された。」とのこと。

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 この日は、お花畑にたくさんの菜の花が植えられていて、あたり一面が鮮やかな黄色に彩られていた。余りにたくさんあるので、写真にははまりにくい。それでも、汐留の高層ビルを背景に撮ると、それなりの趣きがある。菜の花に近づくと、甘い春の香りがする。

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 さらに入っていくと、紅梅と白梅が咲いていて、とても美しい。梅の花にカメラを向けると、たまたま小さなメジロがやって来た。でも、花を撮るためにシャッター速度を遅くしていたので、それを変えて早くする暇がなかった。だから、やっと1枚写真が撮れたものの、メジロの体がややブレてしまったのは、非常に残念だった。

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 それから進むと、新樋の口山という少し盛り上がっているところがあり、そこからはレインボーブリッジが見えた。水上バス発着場を横に見て歩いていくと、潮入りの池に出る。その岸に沿って行くと、木の橋(お伝い橋)がある。これは中島の御茶屋につながるもので、そこを渡って行った先の中島の御茶屋は、なかなか瀟洒な建物で、昭和58年に再建されたもののようだ。そこからさらに橋を渡ると、松の御茶屋と燕の御茶屋があり、それぞれ平成22年、27年に復元された。

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 ここにも、鴨場がある。私も宮内庁の埼玉や千葉にある鴨場での鴨猟に参加したことがあるが、これがまた非常に面白い伝統的な猟だ。池と繋がっている「引堀」という水で満たされた細長い溝を設けて、そこに野生の鴨をおびき寄せる。そんなところに野生の鴨などが来るはずがないと思うが、それがこの猟の巧妙なところである。アヒルを囮に使い、稗や粟などの雑穀をまく。そうすると野生の鴨も警戒感が薄れるのか、引堀の奥の方まで入って来る。それを引堀の突き当りにあるのぞき穴から見て、十分に鴨が入って来たと思うと、合図がされる。身を隠しつつ待ち受けていた我々が、引堀の土手の両脇に、大きな網(二股に大きく分かれた部分に、絹糸で網をこしらえ、そこに柿渋を塗ったもの)を抱えて進出する。再び合図があるので、一斉に飛び立とうとする鴨をその網をふるって空中で捕まえるという手順である。鴨が多いと、面白いように獲れる。

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 しかしながら最近は、地球温暖化の影響か、こういう東京の近場に飛んで来る野生の鴨の数が減ってきており、それに連れて鴨場で捕獲される鴨が少なくなりつつあるようだ。もっとも、かつてはそうして捕まえた鴨をそのまま食べていたようだが、さすがに最近の自然保護の精神の下では、そのようなかわいそうなことはしない。標識を付けて、すぐに放鳥することになっている。

 そうすると、中には毎年のように何度も捕まる鴨がいるというから、そういう鳥は運が良いのか悪いのか、それとも学習しない性格なのか、あるいは餌にありつけるという意味では実はとても賢いのか・・・何ともいえない。でも、もしその鴨が人間の言葉を理解するなら、是非とも聞いてみたい気がする。





 浜離宮恩賜公園の春(写 真)




(2016年3月5日記)


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