<< 徒然264.山中伸弥教授にノーベル賞 | main | 幼稚園からのお便り(2) >>
徒然265.スイッチのカバーが壊れた!

埋込パイロットスイッチB片切WN5241ネーム付


 ある朝、家の廊下を歩いていて、トイレのドアの下に透明なプラスチックの破片が転がっているのに気がついた。良く見ると、二つのピースに分かれていて、そのピースを併せてみると、一体の真四角で小さな窓のようなものになる。ただし、まだ少し欠けている破片がある。それを探そうと腰をかがめたところ「換気扇」と書かれた紙片も落ちていた。これらは何だろうと思って持ち上げ、電灯の光を透かして覗きこんだ。すると、それらはトイレの脇に二つ並んでいるスイッチの部品であるとわかった。その二つのうち上のスイッチはトイレの照明のものであるが、落ちていた破片はその下の方にある換気扇のスイッチの部品で、その上に被さっていたプラスチックのカバーではないか・・・。これは困ったと思ったが、そういえば、かなり昔にもこれと同じ部品が壊れたことがあって、渋谷の東急ハンズに買いに行ったことを思い出した。そのとき、これは確かホタルスイッチのキャップと呼ばれていた。そのときは何が何だかわからないうちに売り場に行ったらすぐに見つかり、そのキャップという部品を買って来て、むき出しとなっているスイッチの上に単にパチンとはめれば、それで修理終わりという簡単な作業で済んだ。もちろん、配線をさわるわけでもなく、単に表面的なカバーの取換えにすぎない。今回も、そうしよう。でも、渋谷の東急ハンズは駅から遠くて行きにくいので、今回は新宿の東急ハンズに買いに行くことにした。

 東急ハンズ6階に着き、照明の部品コーナーを見て回ると、あった、あった・・・似たような部品ばかりだ。たとえば、スイッチそのもの、そのスイッチ回りの金属の枠、そしてスイッチの表面の象牙色のプラスチックの板まである。でも、目指すその透明プラスチック部分がないなぁ・・・。あれれ・・・何かおかしい・・一体どこにあるのだろう。脇の棚にでもないかと探したのだが、やっぱりどこにもない。おかしいなぁ・・・昔は確かに売っていて簡単に見つかったのになぁと思いつつ、仕方がないので係の人に聞いたら、意外なことがわかった。その人いわく「あれについては、かなり注文ミスがあって返品が相次いだから、メーカーが怒ってしまって、それ以来その型番を言ってくれないと注文に応じてくれないんです。だから、すべてオーダーになります」という。やれやれ、面倒なことよ・・・「それでは、その型番はどうやって調べるんですか」と聞くと、「表のプラスチックのプレートを外せばいいんです。簡単ですよ」と言って、「こんな風にプレートを開けると、ここにあります。見るだけなら別に配線をいじるわけでもないから、電気工事業者に頼まなくとも、素人さんでも出来ますよ」と言いつつ、そのやり方まで教えてくれた。

 そこで、家に帰ってから、久しく使っていないドライバーを持ち出して、型番の判読をしようとした。教えられたとおりにまずプラスチックのプレートをはがし、そのプレートのプラスチック枠も取り外し、その下の金属製の枠まで外した。そうやってスイッチの脇が見えるように引き出した。ここまでは作業は難なく進み、鼻歌でも歌いたくなるほどだ。それでこの型番は、これは松下電工の製品で、WN5241ということがわかった。念のため、ネットで調べてみることにした。そうすると、松下電工はパナソニック電工となり、ついにはパナソニックに吸収されてしまってその完全子会社となったそうな。それはともかく、その電設資材総合カタログ(258p)には、確かに、埋込パイロットスイッチB 片切 WN5241 ネーム付というものがある。このキャップを買いにいけばよいのだ。

 と・・・ここまでは順調に物事が進んだのだが、ここで問題が発生した。その解体したスイッチを元に戻そうとしたとして最後の段階でプレートを取り付けたら、何と、二つのスイッチがプレートから1〜2ミリほど陥没してしまうではないか。ほんのわずかなことなのだけれど、指先がひっかかる気がして気持ちが悪い。これは困った・・・もう一度取り外して再びプレートを取り付けても、同じことだった。どうやらスイッチ部品が沈み込んでいるようで、何ともならない。なぜだ・・・何かの部品を付けるのを見落としたのかと思ってその直下を見渡したものの、何も発見できない。うぅむ、これには参った。もう一度外して、今度は中のスイッチの金属枠を緩めてみたが、それだと陥没はしないまでも、肝心かなめのスイッチそのものが緩んでしまってこのまま使うとグラグラして危ない。やむなく、元に戻した。

 仕方なく、そのままの状態で再び東急ハンズに行き、ともかくその壊れたキャップという透明なプラスチック部品を注文した。係の人に型番を告げたら、今度は注文書を書いてもらえた。それを覗きこむと、何と注文単価が52円ということになっている。これでは、入荷を知らせる電話代にもならない。本当に有難い会社である。ただし、入荷が何時になるかわからないから、期待しないで待っておれとのご宣託があった。そのとき、「スイッチを外して型番を確認し、元に戻そうとしたら、スイッチが沈み込んでしまった」と話したら、「それは下のボックスが沈んだのかもしれないから、そうだとすると配線に関わることだから、プロの工事業者にやってもらうしかないですね」と言われてしまった。

 中1日置いた次の日、東急ハンズから電話がかかってきて、もう入荷したとのこと。さっそく取りに行き、そのプラスチック片を受け取り、家に帰ってホタルスイッチの上にはめた。そうしたところ、パチンと心地良い音がして元に戻った。しかし、沈み込んだスイッチそのものは変わらないから、はてどうしたものか、困ったなぁと思っていた。そうこうしているうちに、翌朝、マンションの管理人と顔を合わせたので、相談してみた。すると、「明後日に管理会社から技術者が来るから、見てもらいましょう」という有難いことを請け負ってくれた。


モダンプレート2口用WN6002


 その日になった。約束通りその技術者と管理人がやってきて、家内が応対した。ひとしきり見た後で、その技術者曰く「冬だからプレートと枠が反り返って、こうなったのだと思われますから、そのプレート自体を交換すると良いですよ。型番はWN6002です。それくらいなら、誰にでも出来ますから」という。例の通りカタログを調べてみたところ、パナソニック電工のモダンプレート2口用WN6002というのがあった。そこで、それをまた東急ハンズ6階に行って買い求めた。これで東急ハンズ詣では3回目である。お値段は126円と、これもまた涙が出るほどに安く、有難いを通り越して、大丈夫かな心配するほどである。家に帰ってさっそくプレートとその枠を外し、新しいものに取り換えてみた。しかし、やはりスイッチ部分が2ミリほど埋まってしまって、うまくいかない。もう、こんなにがっかりしたことはない。近くの電気屋さんを呼ぼうかという弱気のひとつも出ないわけではないが、こんな仕事は配線やスイッチをいじるわけでもないから簡単すぎて申し訳ないくらいだ・・・まあしかし、こんなことで諦めてはいけない。

 付けたプレートと枠をもう一度外して、一体何が原因なのだろうかと、内部の金属の枠部分をよく見てみた。すると、正面からはなかなかわからなかったが、脇から見ると、その金属枠の下半分が内側へわずかに折れ曲がる形になっていることを発見した。ははぁ、これが原因ではないか・・・プレートを戻す時に力を入れ過ぎて少し歪んだのかもしれない。そこで、いささか強引だったかもしれないが、ペンチを出してきてその部分の反りを直してやった。最後にプレートをパチッとはめたところ、おお、やっとうまくいった。何でもそうだが、まずは観察が大事だというのがこの件での教訓である。原因がわからなくて当初はいささか疲れたが、ともあれ最終的には成功したので満足である。

 以前、アメリカの東海岸に住んでいた人の話を聞いたことがあるが、借りる家を探しに行って不動産屋が比較的新しい物件だと言っていたのが築100年ものであったらしい。ところが、そんなことで驚いてはいけないそうだ。古い家なものだから、次から次へと故障する。プロの修理工に来てもらえるのはいつになるかわからないので、自分で修理することになる。おかげでちょっとした作業なら何でも出来るようになったとのこと。そのときもうひとつ、びっくりしたことがあった。それは、トイレの排水管が壊れて、その部品を店に買いに行った。一見して古そうな部品で、建築当初のものではないかと思われるくらいである。そんな100年前の部品なんて今頃売っているのかどうかもわからないと思いつつ店に着いてその型番を言ったら、すぐに出てきたからもっと驚いたそうな。今回の私の家のスイッチの部品も、会社名は変わっても、型番を言えばすぐに入手できた。こういうことが文明国の証だと考えるが、どうであろうか。

 それにしてもどういうわけか、年末になると必ずといってよいほど、家の中のあちらこちらで、蛍光灯が切れるだのなんだのと、何やかやとこういう騒ぎがいくつか生ずる。不思議なものである。



(2012年12月20日記)


カテゴリ:徒然の記 | 22:46 | - | - | - |