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徒然262.湯島天神の菊まつり

湯島天神の菊まつり・高倉上皇



 湯島天神の菊まつり(写 真)


 昨土曜日は、朝から大雨でかなり強く降り、東北から北海道にかけて雷や降雪で大変だったらしい。ところが、今日の日曜日は誠に良い天気で、出掛けるには好都合である。しかし私は、昨日からのiPhone4SからiPhone5への切り替え騒ぎで疲れてしまって、午前中は出掛ける気にならず、お昼過ぎになってようやく外へ行く元気が出た。それで選んだのが湯島天神の菊まつりである。こちらの菊まつりには、2008年に行ったきりで、しばらくご無沙汰をしている。何しろ湯島天神まで歩いて20分ほどのところに住んでいるので、もう少し頻繁に行ってもよさそうなのであるが、家のすぐ近くに根津神社や神田明神もあるし、ちょっとバスに乗ると浅草寺だから、中途半端に近いところにはついつい足が向かなくなるのである。



湯島天神の菊まつり



湯島天神の菊まつり・白色と黄色の菊の大作り



湯島天神の菊まつり・白色と紫色の菊の大作り


 今日は、男坂を登って湯島天神に着いてみると、境内のあちらこちらに菊が飾られていた。先週は新宿御苑の皇室ゆかりの菊花壇展を観たばかりなので、そのきっちりとした様式美に目を奪われたものだ。しかしながら、こちら湯島天神では、大きな菊花はいずれも各協賛会社によって寄付されたもののようで、いやもうそれは豪華かつ奔放なつくりである。たとえば菊の大作りでは、新宿御苑ではひとつの鉢には当然同じ色と形の菊の花ばかりが咲いているが、こちら湯島天神では違う色の菊の花が混じっている。それも白色と黄色だったり、白色と紫色だったり、いろいろである。これは果たして一本の茎から出ているのか、それとも違う色の菊の接ぎ木でもしているのか・・・だいたい菊は一年生草本だったはずだから、接ぎ木なんて有り得ない・・・ではどうやってするのか・・・ひとつの鉢に数本の菊を植えているのか・・・そういうものを大作りと呼べるのかなどと頭を悩ました。どなたか、ご存じの方がおられたら、お教えいただきたい。



湯島天神の菊まつり



湯島天神の菊まつり・神前結婚式一行が渡り廊下を通る



湯島天神の菊まつり・平清盛と源義朝


 本殿では、懸崖作りの菊が並んでいる中で、神前結婚式がとり行われていた。式が終わった後、一行が渡り廊下を通って行った。その脇にも、たくさんの懸崖作りの菊が並べられていて、きらびやかで厳粛で、なかなか良い雰囲気である。社務所の左手には、菊まつりの目玉である大河ドラマの主人公の菊人形が飾ってあった。私はどうもこの平清盛の一生をテーマにしたドラマが肌に合わず、ほとんど見ていないが、人形は、その清盛、建礼門院、高倉上皇、源義朝であった。しかしどういうわけか、平清盛と源義朝とが同じ顔だったのには、笑ってしまった。ミスではなく、費用節約のためらしいとみたが、どうであろうか。



湯島天神の菊まつり・七五三参りの親子


 この日は七五三参りの親子も来ていて、子供さんは小さいながらもいずれも和服を着て、大菊を背景に写真に納まっていた。なかなか、可愛い。特に女の子は、髪を結い白粉をはたき口紅をさすと、もういっぱしの女性になってしまうから不思議である。でも中には、その足が草履ではなくてピンクのズック靴だった子がいたのには、これも笑ってしまった。草履は履き慣れないので、子供がすぐに脱いでしまうようだ。



湯島天神の菊まつり・懸崖作り


 菊について、いろいろと説明が書かれていた。たとえば懸崖作りでは、「磯菊が断崖の上から垂れ下がっているさまを思わせるのでこの名がつきました。長さによって180センチ以上を大懸崖、100センチ以下を小懸崖、その中間を中懸崖と呼びます。また、写真の前垂型の他に静岡懸崖などがあります。前垂型が一般的です。全部の花が一斉に開花し断面がカマボコ型になるように仕立てたものが良い作品です」とある。ちなみに、前垂型というのは私の言葉でいうと涙滴型、静岡懸崖というのは人形が踊っているような造形である。



湯島天神の菊まつり・江戸菊


 また、江戸菊というのは広義では、江戸、伊勢、嵯峨、美濃、肥後、奥州で発達した古典菊のことを指すらしいが、そのうち江戸で盛んに栽培されたのが狭義の江戸菊とのこと。これは、「はじめ花芯を見せて平らに咲き、その後平弁やサジ弁がよじれながら立ち上がって花芯を包み込み、品種特有の花型になります。この特殊な花弁の動きから、狂い菊とか芸菊とも云われました」という。そういえば、江戸菊の中には花弁が倒れたり捻じれたりしているが、これがその特徴なのだ。



湯島天神の菊まつり・管物(管咲き)



湯島天神の菊まつり・管物(管咲き)


 盆養〜管物(管咲き)というのは、「花弁が管状になっているためこの名で呼ばれ、花弁の大きさによって太管(3〜5mm)、間管(あいくだ、2〜3mm)、細管(ほそくだ、1〜2mm)、針管(はりくだ、1mm以下)に分けられます。花の中心部が茶筅状と盃状になるタイプがあり、品種の特徴が表れていることが求められます。外側に長い走り弁があり、花芯を囲んで段々になる抱え弁の先端が硬く玉巻きになっている戦災な美しさが命です」とのこと。確かにもそういわれて花を改めてみると、その違いがわかってくる。写真を撮るということでは、上から日が当たっているときより、斜めから日が当たっている方が適当だ。というのはその方がたくさんの管の陰影がよく表れて、ぞくっとするほど美しく見えることがあるからである。



湯島天神の菊まつり・厚走り



湯島天神の菊まつり・厚走り


 盆養〜厚走りというのは、まるで人の頭ほどもある、こんもり・もっこりとした美しい菊である。「厚物の花の下部に長い花弁(走り弁)が放射状についたもので、走り弁がある分、花が大きく見えるので人気があります。走り弁は、袋状で先が尖ったものを剣走りと呼び、良い花とされています。近年の代表的品種は国華由季」という。なるほど、これこそ菊中の菊というわけか。さもありなん。



湯島天神の菊まつり


 ああ、猿回しをやっている。この猿、両手を腰の後ろに回して気をつけの姿勢をする。そして、ハードルを飛んだりするのは普通のことだが、ふわふわのサッカーボールに対して、オーバーヘッドキックを披露したのには見物人が驚き、やんやの喝采を浴びていた。


湯島天神の菊まつり・猿回し





(2012年11月18日記)


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