徒然258.秋の園遊会
2012.10.25 Thursday | by 悠々人生
秋の園遊会が赤坂御所で開催された。私のところにも招待状が届き、参加することが出来た。ドレスコードは、モーニングコート、制服又は背広ということなので、まあ普通はモーニングを選ぶのが無難だろう。私も、そういうことで、モーニングを着用して出掛けることにした。予め配布されたマークを付けた車に乗り、午後1時45分頃、赤坂御苑内に入った。下車してテントの前の係の方に半券をお渡しし、それから差し出される飲み物のグラスを手にする。上司、同僚、知己と交々挨拶を交わして雑談し、時にはモクモクと煙をあげているテントまで行って、そこで焼かれている焼き鳥やジンギスカンにまで手を出したりした。そうしてまた色々な話題が飛び交う場に戻り、和やかな時を過ごす。眼を上げれば、空はもうすっかり秋だ。真っ青でどこまでも続く空の中に、白い筋雲が浮かぶ。芝生の前には、懸崖造りの菊の花や大輪の菊の鉢が並べられていて、いかにも秋らしい。その横にある赤紫色の花は何かと思って近づくと、杜鵑(ほととぎす)ではないか・・・しかも花が集まって咲いている。こんなに杜鵑の花が集合しているのは、見たことがない。隣には、大きな丸い緑色の葉っぱから出る長い茎の上に黄色い花がある。ああこれは、石蕗(つわぶき)の花である。
それを見て、私の隣にいた友人の奥様がいたく感じ入ったようで、陛下が去って行かれたあとで、「赤トンボ 陛下の頭で ひと休み」と詠んだ。のどかで素直な句だ。するとその友人は、「私のは、あんな子供っぽい句ではないからね」といい、「御苑の宴 不敬知らずに 秋あかね」を披露してくれた。ははぁ、なるほど、彼がこれほど句心のある人だとは思わなかった。お見それした。それを見て私も負けじと詠んだのが次の句だが、我ながら川柳風なのが悲しい。どうも私には、句をひねる資格はあまりなさそうだ。
「此は何処と 心得るのか 秋あかね」
(2012年10月25日記)