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徒然246.向島百花園の夏

大輪朝顔展の朝顔



向島百花園の夏(写 真)


 大輪朝顔展が今日から開かれているというので、向島百花園に行ってみた。何しろ朝顔なので、早く行かなければと思っていたのだが、ゆっくり朝食を食べたりしていたものだから、結局、東向島駅に着いたのが午前10時を回っていた。いやもう、すごい暑さである。駅からiPhoneのマップに表示させた経路に従って歩いたのだけれど、汗がしたたり落ちてきて、持っているハンカチがあっという間にぬれた。昨日から気温が全国で35度を上回る都市も珍しくなくなって、熱中症で病院に運ばれる人も多く、その中で運悪く亡くなる人もいたりする。そんなことを思いながらふらふらと歩いて行き、もうたまらないと思った頃に着いた。

大輪朝顔展の朝顔


大輪朝顔展の朝顔


大輪朝顔展の朝顔


 こんなもので良いのかなと思うほどの、ごくわずかな入園料をお支払いして向島百花園に入る。入り口に近いところにたくさんの朝顔の鉢が並べてあり、これが大輪朝顔展のようだ。ところが、着いたのが午前10時と遅かったせいか、それともこの猛暑のせいかはわからないが、朝顔の多くは、可哀そうなほど萎んで元気のないことおびただしく、せっかくの朝顔展が台無しとなっていた。写真を撮りたくなる朝顔の数はごくわずかだ。いやはや、これは残念である。でも、私が小さい頃によく見かけた朝顔、特に紺色、赤色、白色などという懐かしい昔ながらの朝顔に加えて、絞りというのか、斑入りというのか知らないが、白い線が何筋も入っている朝顔も結構あって、こういうところは品種改良が進んでいる分野なのかもしれない。それに、茶色の朝顔なんて、私の小さい頃にあったものかどうか、どうも思い出せない。ともあれ、庶民がこういう朝顔を育てて、楽しんでいるというのは、日本ならではのことではないだろうか。

大輪朝顔展の朝顔


大輪朝顔展の朝顔


 さて、猛暑のせいで大輪朝顔展にはがっかりさせられたが、せっかく向島百花園にきたのだから、園内を一周しようと歩き始めた。すると、これは鮮やかとしか評することができないくらいに目立つオレンジ色をした凌霄花(のうぜんかずら)があった。空の青さによく映えて、いやこれは素晴らしい。よく見ると、オレンジ色の花の中に蟻がたくさん動き回っている。何か蟻を引き付けるフェロモンのような物質を出しているのかもしれない。

凌霄花(のうぜんかずら)


 花魁草(おいらんそう)という、赤い小さな花が集まった見たことのない花があった。季節の花さんの説明によると、「花の香りが花魁(おいらん)の白い粉の香りに似ているからこの名前になった」らしい。私はてっきり、花の赤さとその儚げな様子から花魁になったのではないかと思ったが、違ったようだ。香りを嗅いでみたが、確かに、かすかにおしろいのような匂いがした。

花魁草(おいらんそう)


 次は、おなじみの桔梗(ききょう)である。私の小さい頃からこの花はよく見かけたものだが、花がまだ咲かないときには、花びらがお互いにぴったりくっついていて、まるで紙風船のようになっているからよく覚えている。事実、英語では「balloon flower」というそうだから、笑ってしまう。まあ、紫色の品の良い可憐な花である。見ていて飽きない。

桔梗(ききょう)


 あらら、これはすごいと思ったのが、紅葉葵(もみじあおい)だ。青い空とちょうと補色関係にあるピンクや真っ赤な力強い花が咲いている。一見すると、ハイビスカスのようでもあり、あるいは木槿(むくげ)のようでもあるが、それより少し大きくて、はるかに力強い印象を受ける。これを見ていると、ああ、夏本番だという感じがする。いや、もう暑くなってきた。熱中症になる前に、さっさと家に帰って休むとしよう。とんだ大輪朝顔展だった。

紅葉葵(もみじあおい)





(2012年 7月29日記)


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