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徒然245.立川花火大会

立川花火大会



 立川花火大会(写 真)


 今日ほど、各種イベントが立て込んでいる日はない。午後1時半からは新宿で沖縄エイサー祭り、午後7時5分からは東京の東で隅田川花火大会、午後7時20分からは東京の西で立川花火大会、さらに加えて午後8時からはロンドン五輪で日本の女子サッカーなでしこジャパンがスウェーデンと試合をするという。いやこれは、1日の中では近年に類のないほどの豊富さで、どれを選ぼうかと迷うほど。しかし、この35度を超える炎天下でエイサー見物というのも、体によくないからまずこれはパスしよう。先週は、サンバ風の沖縄エイサーを見物したばかりだし・・・いや、まったく別物かもしれないが、ともかく熱中症にならないように暑さを避けることが肝心だ。次に隅田川花火大会も自宅から近くて良いが、花火の写真を撮る適当な場所が思いつかない。何しろ人の洪水のような状態になる。さりとて、家でなでしこジャパンの見物をするのも、まだ予選だし、気が乗らない(しかし、ウチの奥さんは、賢明にも、こちらの方を選択した)。

立川花火大会


 というわけで、未だ行ったことがない立川花火大会に出かけることにした。何でも、目新しいことに挑戦することが大事だ。iPhoneの乗換え案内によれば、自宅からだと新御茶ノ水で青梅線直通に乗ればよい。午後5時ちょうどに家に出ると、西立川駅に午後5時53分に到着する。昭和記念公園で開かれるこの花火大会用の見物の門が開くのが6時ちょうどだから都合がよい。そんなことで、新御茶ノ水で中央線に乗り、座席に座った。最初はさほど混んでいなかったが、新宿、荻窪、吉祥寺と進むにつれて、電車が混んできて、三鷹に着く頃には満員電車並みになった。あまりに押されるので、入口付近で悲鳴が聞こえる。隣に座った年配のおばあさんなどは、国分寺で電車の外に出るのに一苦労していたほどだった。そうこうしているうちにこうした混雑やら特急通過の調整で電車は7分遅れとなり、開門時間とちょうど重なることになった。立川駅に着いたがそこでは大半の乗客は降りず、そのままの混雑状態で、西立川駅に向かった。こちらの方が、会場の昭和記念公園までの歩く距離がはるかに短いからだ。

立川花火大会


 その西立川駅で中央線の電車を降りると、すぐ目の前が昭和記念公園のゲートである。打上げ会場のみんなの原っぱを目指して人波に合わせてぞろぞろ歩き始めてしばらくしたとき、視界がすーっと開けて、湖のほとりに出た。大勢の家族連れが、その付近の地面にレジャーシートを敷いて座っていた。「ああ、これは湖越しに花火が見られそうだ。それに、三脚を立てられそうだ」と思って、その中ほどの空いているスペースに座って待つことにした。シートを敷いて腰を下ろし、三脚を2段だけ出して目の前に置き、カメラを載せた。こうすると、座った私の目の前にカメラの液晶画面が来る。試し撮りをしてみると、写真の画面下の部分には、鬱蒼とした木々が黒いシルエットを作り出していて、なかなか良い感じである。そういう体勢で花火の開始を待っていたのだが、困ったことに、なんとお尻が熱くなってきた。まるで鉄板の上にいて焼かれているようなものだ。昼間の暑さで、コンクリートが熱を帯びてしまっている。仕方がないので、万一の際の着替えに持ってきた下着やシャツを畳み、その上に座ると、少しは熱くなくなった。湖面を通ってきた涼しい風がたまに通るものの、風がなくて空気がよどむときは耐え難い暑さである。団扇や扇子を持ってきた方がよかった。手持ちのペットボトルの水やお茶を飲んで、しばしの時間、耐える。

立川花火大会


 午後7時20分となり、いよいよ始まった。真っ暗となった空に、次々と花火が上がる。こちらから見ていると、正面に比較的大きな花火が上がり、その左手の、木々が切れ込んで低くなっているところからやや小さめの花火が上がるという具合で、それが同時に上がると、大小ふたつの花火を同時に見ることができる。正面の花火の多くはいわゆる一尺五寸玉で、ヒュルヒュルヒュルという音を立てながらどんどん上がって行く。誰かが「これは大きいぞ」と叫ぶ。その頂点に達して、空一面に球形に火が飛び散り、ややあって、ドーンという腹に響く音が聞こえる。ううーん、これがまさに夏の花火の醍醐味である。これだけでも、来て良かった。

立川花火大会


 プログラムに、全国選抜の芸協玉というものがあった。これは、全国の競技会で優秀な成績を収めた花火を再現したものという触れ込みで、立川名物一尺玉10発があると書いてあった。午後7時50分からの打ち上げである。その書いてあったとおりに記していくと、01[新潟]昇曲導 三重芯銀閃冠、02[東京]昇小花 八重芯ダリア、03[群馬]昇小花 胡蝶の舞、04[山梨]昇小花 雌雄芯菊先オレンジ銀乱、05[秋田]昇小花 花キキョウ芯錦冠先変化、06[静岡]昇小花 ひまわり千輪菊、07[愛知]昇曲付 大万華鏡、08[茨城]昇小花 虹の華、09[静岡]昇尾引 水色芯銀カムロ、10[長野]昇曲付 四重芯錦冠群声、というものだが、これを読んでいるだけでも面白い。また現物の花火も、いやこれはなるほどと思うくらいに、なかなかの見ものであった。確かにダリアのようであり、オレンジ色であり、虹といえば虹みたいで、これは芸術の域に達していると思った。

立川花火大会


 ただ、肝心の花火の写真だが、花火というものは、撮りにくいものだ。単に、暗いからというわけではなくて、その花火によって、まずは大きさが違うし、上がる位置もかなり異なる。だいたい、上がっているときにはどういう大きさの花火なのかわからないではないか・・・もっとも、最後の頃には、高く上がる花火は空一面に広がるほど大きいなどと体感したが、時すでに遅かった。加えて、眼で見た花火と写真に撮れた花火とでは、相当違う。なぜかというと、人間の眼では残像のようなものがあって、時々刻々飛び散って行く花火の火が一連でつながっているように見える。しかし、カメラはまさにその瞬間を写すので、多少は露出時間で操作するにしても、やはり何か違うのである。

立川花火大会


 ということで、写真は撮ったものの、納得がいくのものはあまり撮れない。そこで試しに映像ではどうかと思ってビデオを撮ってみたところ、あにはからんや、かなり良いものが撮れた。花火は、ビデオに限るということか・・・。しかし、残念なことに、私の周囲でビールを飲んで酔っ払って戯言を呟いている若者たちの、その声までを拾ってしまっている。さりとて、音がないと、あのドーンという腹に響く花火の醍醐味が味わえない・・・うまくいかないものである。今度、ビデオを花火を撮影するときは、指向性マイクを使うほかない。まあ・・・でも、この花火大会は、とても面白かった。

立川花火大会


 帰り際、家にいて、なでしこジャパンのスウェーデンとのサッカーの試合をお茶の間観戦している家内に対して、これから帰るよとメールを出した。すると、「試合は今のところ0対0だけれど、圧倒的に攻め込まれてハラハラします」とメールが帰ってきた。なるほど、家のお茶の間観戦は、確かに涼しかったが、精神衛生上はあまりよろしくなかったようだ(ちなみに、家に帰ってみると、この試合は、引き分けに終わっていた)。

立川花火大会






(2012年 7月28日記)



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