<< 徒然242.カタログ・ショッピング | main | 徒然244.沖縄サンバカーニバル >>
徒然243.上野公園不忍池の蓮

上野公園不忍池の蓮


 不忍池の蓮 2012年(写 真)

 不忍池の蓮 2009年(写 真)

 家の近くに上野公園の不忍池があるものだから、7月の声を聞くとその蓮の花の写真を無性に撮りたくなって、落ち着かなくなる。とはいえ、あまり早い段階で行っても咲いていない。そこで、やっと7月下旬となったので、今朝早く起きて、8時半頃に池の畔に立った。池面は、蓮の緑の葉でもうかなり覆い尽くされているが、池の中心部のところは、まだ十分には育っていないようだ。全体的に池面の8〜9割程度は、蓮の葉で覆い尽くされている。さて、肝心の蓮の花であるが、あるある、あちこちで咲いているが、まだ咲き始めという感じで、数は多くない。それでも既に蓮の実となったものをたったひとつ見つけた、そんな程度である。

上野公園不忍池の蓮の花びらの水滴


 池の回りを歩いて蓮の花を見かけると、それに超望遠レンズを向けて、どんどん撮っていった。実は昨晩遅くから、霧雨が降ったり止んだりしていて、その雨の滴が丸い数珠のように蓮の花に付着して、いつもとは違った風情のある写真が撮れた。それに、あの大きな蓮の葉の中心部に大きな水たまりができていて、それもまた美しい。まるで溶かした氷砂糖のごとくである。しかも、風が吹いて葉が左右に揺れる度に、その大きな氷砂糖の水滴が形を変えながら葉の中心部で傾く様は、自然の妙といってもよいほどである。

上野公園不忍池の蓮の葉の水滴


 それにしても、冬の時期には蓮の枯れ葉と枯れ茎でその一面が茶色に覆われるこの不忍池なのに、それからたった数ヶ月の間に、あの広い池面がすべて新緑の蓮の葉に覆われるだけでなく、ピンク色のこの愛らしい蓮の花を咲かせるなんて、まるで魔法の仕業のように思うのである。それも、泥の中にすっくと立ち、しかもそれが丸くて大きなピンク色の花だから、昔の人はここに極楽浄土を重ね合わせたのも当然で、なるほど、むべなるかなという気がする。 私たちは2年前に平泉へ旅をして、中尊寺の蓮の花を見てきたが、これは中尊寺の金色堂須弥壇から発見されてなんと800年ぶりに発芽させることに成功した蓮の花という。藤原家3代も、この蓮の花を見て楽しんでいたかと思うと、感慨もひとしおというものである。ちなみに、もっと古い発芽例としては、昭和26年に千葉市の東京大学検見川農場の遺跡から発掘されて、大賀一郎博士が発芽させることに成功した蓮は、今をさかのぼること2000年前の弥生時代後期のものであるというが、今度、機会を見つけてその写真を撮ってこようと思っている。

上野公園不忍池の蓮


 私は、実はあまり蓮にまつわる思い出はないが、それでもたったひとつあるのは、蓮フレーバーのお茶が実に美味、いや美香だったことである。ベトナムに行ったとき、何の気なしにお土産として、蓮のお茶のパックを買って来た。それを自宅で淹れて、家内と飲もうとしたところ、室内に得も言われぬ芳香がただよった。これがまた素晴らしくて、思わず2人でうっとりとしたものである。もっともお茶そのものの味は、あまり大したことはなかったが、これは普通のお茶っ葉を使って単にそれに香り付けをしたからだろう。しかしそれにしても、その香りが味を上回るお茶なんて、初めての経験である。

上野公園不忍池の蓮





(2012年 7月21日記)


カテゴリ:徒然の記 | 22:22 | - | - | - |