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徒然225.湯島のヒヨドリとメジロ

湯島天神のメジロ



湯島天神のメジロ




 湯島天神の梅(写 真)は、こちら


 湯島天神には、2月11日に梅まつりを見に行き、そして3月に入って今度は咲いている梅を見ようと先週11日に再び行ったのであるが、まだ5分咲きといったところだった。なんでも今年は、梅が咲くのが3〜4週間も遅れて、こんなことは何十年ぶりかもしれないとのこと。その11日には、梅にメジロが来ている様子の写真を撮りたかったが、そもそも梅の花がまだ十分に咲かないのだから、来てくれなかった。そういうわけで、今日の春分の日こそはと思い、仕切り直しのつもりでまた行ってみた。



湯島天神のヒヨドリ



湯島天神のヒヨドリ



湯島天神のヒヨドリ


 すると、うれしいことに、鳥が来ているではないか・・・夫婦坂をあがってきて、咲いている梅の木をふと見ると、全長30センチくらいの精悍な感じの茶色の鳥が、梅の木にとまって、枝や花をついばんでいる。さっそく超望遠レンズをつけたカメラを取り出して、シャッター優先モードでバチャバチャと連射していった。私のこのオリンパスのカメラの性能では、連射といっても1秒間に3枚というのんびりしたものだが、それでも、何十枚も撮ればそのうち数枚くらいは使える写真を撮ることができる。まあ要するに、下手な鉄砲を数撃っている内に、一発くらいは当たるだろうというのと同じだ。



湯島天神のヒヨドリ



湯島天神のヒヨドリ


 あれ、それにしてもこの鳥、なんという鳥だろうと気になった。すると近くにいた物知りの人が、「これは、ヒヨドリではないかねぇ」というので、その場でiPhone を取り出して画像を検索すると、なるほど、おっしゃる通り、ヒヨドリに違いなかった。比較的動かず同じところにとどまっている。よく見ると、梅の花の蜜を吸っているときもあれば、梅の木の枝を突いて、昆虫を口にくわえているときもある。小さいながら、一生懸命に頑張っているではないか。健気なことだ・・・。



湯島天神のメジロ



湯島天神のメジロ


 さて、そのヒヨドリがいる梅の木に突然チチッと鳴き声が聞こえたかと思うと、小さな鳥が2〜3羽、飛んできた。おお、これこそ待っていたメジロだ。ウグイス色の体をしているし、眼の回りが白いから、間違いない。私が見上げていた梅の木をあちこち飛び回り、とっても機敏な動きをする。だから、その眼に焦点を合わせるのがなかなか難しい。いや、眼どころかその顔にすら、焦点を合わせるのが一苦労である。何しろ、顔をキョロキョロ、しかも左右どころか真後ろに180度も動かして、ともかく忙しくて常にせかせかしている。これが人間の子供なら「まあ、落ち着きなさい」とでも言うところである。だから、せっかく撮ることができてもあさっての方向を向いているからがっかりだ・・・カメラマン泣かせの俊敏さである。しかし、これも下手な鉄砲方式で、しばらく追いかけたところ、何枚かは使える写真となった。素直に嬉しいと喜ぼう。



湯島天神のメジロ







 ところで、この湯島天神での鳥の撮影の後、恵比須ガーデンプレイスの東京都写真美術館に行って、「フェリーチェ・ベアトの東洋」展を見てきたのである。説明によると、「19世紀後半の激動する東洋を駆け抜けた、漂泊の写真師フェリーチェ・ベアト。インド、中国、日本、朝鮮、ビルマという19世紀後半に開国した国々のイメージを西欧世界に伝えた彼は、クリミア戦争、インド大反乱、第二次アヘン戦争、下関戦争、辛未洋擾など東洋における国際紛争を記録した、戦争写真のパイオニアとしても知られています。彼は戦争のリアリティとして戦場の死体を撮影した最初の写真家であり、パノラマ写真を含む建築写真や地形写真、アジア諸国の人々の肖像写真など多様な写真作品を欧米に提供した、多才な写真家の一人でもあるのです。」ということだが、個々の写真は非常に細かいところまでよく写っていて、いささか驚いた。

 彼が活躍したのはちょうど幕末の頃で、日本に居留したのが20年にも及ぶという。日本関係の写真では、愛宕山から撮影したパノラマ、下関戦争で占領された長州藩の砲台、横浜に蝟集する外国船、大名屋敷、市民の市井の生活・・・たとえば籠に乗る女性、冬姿の女性、全身刺青の馬方、力士の姿、舟の中の人々、田圃の中の農民、弓を引く武士、刀の切っ先を向ける武士、あんまをしてもらう女性、芸人たち、僧侶と役人などがあった。中には水彩絵の具で色を付けている写真もあり、幕末当時の姿が実によくわかる。そのほか、阿片戦争当時の中国、大映帝国治下のインド、ミャンマーなど、とても興味深い。フェリーチェ・ベアト自身は、投機に失敗して全財産を失い、それで日本を離れたそうだ。それはともかく、お暇なときにでもご覧になってはいかがかと思い、ぜひお勧めしたい。5月6日まで開かれているそうだ。





(2012年 3月20日記)


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