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徒然224.浅草寺金龍の舞

浅草寺金龍の舞


 最近、浅草が元気である。近くに東京スカイツリーが完成したせいか、何か町全体に、この機を逃してなるものかという気概のようなものを感ずる。ただ、正直言って、浅草という土地は、私の父の世代は懐かしがるけれども、たとえば浅草寺の裏手などはどうも私の趣味に合う土地柄ではない。だから、雷門→仲見世通り→浅草寺本堂のいわば「東京観光の黄金ルート」はともかく、これまで特段のイベントで行く以外では、あそこへぜひとも行きたいという気が湧き上がるような所でもない。ところが、3月17日と18日、三社祭斎行七百年祭・浅草寺本尊示現会の浅草神社本尊神輿堂上げ・堂下げ、そして18日には古式三社祭舟渡御なるものを行うという。あわせて、五重塔前で金龍の舞を行うと聞いて、そういえば前回見物した白鷺の舞はなかなか優雅で、とても素晴らしいものだったと思い出し、行ってみる気になった。自宅近くの停留所からバスに乗っていけば20分ほどで浅草寺の裏手に着くが、今日は地下鉄を使って、千代田線大手町→東西線日本橋→銀座線浅草というルートで行ってみたら、30分ほどで着いた。少し遅れて家内は、千代田線大手町→半蔵門線三越前→銀座線浅草というルートだったが、来てくれた。時間的には、同じくらいである。しかしこのルートは、途中、乗り換えがあったり、駅と駅の間をかなり歩くのが面倒である。

浅草寺宝蔵門


 昨日は終日、雨だったが、今日は曇り空でいかにも降りそうであるが、それでも何とか天気はもってくれている。浅草駅に着いて雷門に向かったが、いやはや、すごい数の人だ。なかでも仲見世通りは満員電車並みに混み合っているので、その脇の裏通りを行こうとしたが、それでも、混んでいた。しかし、中には先を急いでいる人もいないわけでもないので、そういう人の後を付いていくと意外と早く宝蔵門に着き、その脇の五重塔前の小さな広場に出た。金龍の舞とやらは午前11時から始まるので、あと5分だ。人混みの中で、金龍らしきものがあるかと見ると、あった、あった。動くまで待とうと思ってその脇の宝蔵門の前に立っていた。門の両脇には、山形県から奉納された大きなわらじが掲げられている。あわせてその位置からは、5月22日に開場する634メートルの高さの東京スカイツリーも見えるのは、うれしい限りだ。それらを飽かず眺めていると、赤ちゃん連れの若い夫婦から、門を背景にカメラのシャッターを押してくれと頼まれた。よほど暇なおじさんと見込まれたらしい。はいはいっと気軽に引き受け、どういう構図がいいのと聞くと、縦にして門の上の文字を入れてくれとのこと。何とかご要望に沿うようにしてカメラを構え、赤ちゃんが笑顔でこちらを向くのを待って、パチリと撮ってさしあげた。




山形県から奉納された大きなわらじ


 ところで、この金龍の舞は、戦災で焼け落ちた本堂が昭和33年に再建されたのを記念して、創作奉納されたそうな。金龍の舞の名称は、浅草寺の山号の金龍山からとったという。浅草寺縁起に、観音示現の際、天空から龍が舞い降り、一夜にして千本の松林が出来たという。まあそれで、松林に見立てた幼稚園児たち、観音様を象徴する蓮華珠、それを守護する金龍(長さ18メートル、重さ88キロ)を8名で操作し、浅草組合花組のお囃子を引き連れて練り歩くというものである。金龍の操作は、なかなか難しそうだと思ったら、金龍の舞執行委員会委員長吉田健さんという方が「龍は8人で操作しますが10分間の舞を覚えるのに2年、頭を持つのには10年以上かかる。舞にはその人の生き様が現れます。・・・(会には現在75名が在籍)・・・金龍の絆は生涯の絆です。今年も心を込めて力の限り奉納いたします」とのこと。(東京メトロ沿線だより2012年3月号より)




金龍にかぶりつかれた女の子



苦笑いの女の子


 あれから、さらに2組に、カメラのシャッターを押すことを頼まれてしまった。そうこうしているうちに、ピーヒョロ・どんちゃん・どんちゃんという、浅草組合花組お囃子方による笛や鐘や太鼓の音がして、金龍が動き出したものの、どういうルートで行くのかわからなかった。写真を撮るのに適当なところにいたいと思うが、金龍の廻りはたいへんな人混みで、近づけない。やがて、金龍は宝蔵門の前を一周した。その途中、肩車された小さな女の子の頭に金龍がかぶりつくというハプニングがあり、大笑いとなった。その女の子は泣き叫ぶかと思ったら、意外と平気で、にこにこしている。なかなか度胸があるではないか。これが私の孫だったら、男の子なのに、ワーッと大声で喚き泣き騒ぐはずだ。それにしても、最近の女の子は強い。そういうしているうち、あれあれ、という間もなく、金龍は宝蔵門の下をくぐって仲見世通りの方へと行ってしまった。大変な人混みだから、その流れに逆らって追いかけるわけにもいかない。


浅草寺本堂



五重塔脇の花



五重塔脇の葉のしずく


 そういうことで、金龍を追いかけて写真を撮るのは別の機会にして、ちょうどやってきた家内と一緒に浅草寺本堂でお参りをした。本堂はついこの間まで修理中だったと思うが、あちこち実に綺麗になっている。瓦も、チタン製とは思えないほどに本物そっくりである。それから、近くにあった花が気に入ったのでこれを写した。それにしても、このピンクに黄色が混じってる存在感のある花は、なんだろう? 右奥にある紫の花は、ムスカリー(グレープヒヤシンス)に違いない。これは、紫の花だし、白い花もあることは知っていたが、ピンクというのは・・・グループヒヤシンスにそもそもあったかな? どなたか、教えていただければ幸いである。これとはまた別の花であるが、その周りに植えてあったこの水滴が載っている葉など、本当に自然はうまくできている。これは、相当びっしりと細かいヒゲのようなものが、葉の表面に着いているのだろう。産業に応用できないだろうか。ちょっと、研究してみたくなる。



福聚のご一行



 隅田川の船着き場へと行った。着いたとたん、福聚のご一行と一緒になった。どうやら、子供たちが、七福神のお面を被っているようだ。それから、54年ぶりに復活したという舟渡御を見ようとしたのだが、あいにく、雨が降ってきて写真を撮るどころではなくなった。仕方がないので、蕎麦屋の十和田に立ち寄り、天麩羅そばを食べて、家に帰ることにした。また、5月に行事があるそうだから、そのときこそ、金龍の舞の写真を心置きなく撮ることにしよう。最後に、せっかく来たのだからということで、隅田川の向こう岸にある、東京スカイツリー、隅田区役所、アサヒビール本社の建物を1枚の写真に収めて、家路についた。ところで、この写真は吾妻橋たもとの浅草の船着き場で撮ったから、こういう順番になったのだけれど、構図からすれば、むしろ隅田区役所の右に背の高い東京スカイツリーを置いて、それからアサヒビール本社の建物が右側にくるという方がシンメトリーの関係で美しい。実は、そのように撮れる地点があるという。それは、隅田川をもう少し下った駒形橋の方へ歩いていくと、見つかるらしい。次回、桜の季節にでも来て、撮ってみようと思う。

東京スカイツリー、隅田区役所、アサヒビール本社の建物








(2012年 3月18日記)

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