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徒然210.向島百花園の秋

柳花笠と思われる花に留まって蜜を吸う揚羽蝶


 ようやく盛夏が過ぎ、秋の雰囲気を感じられるようになってきたので、家内と二人で向島百花園に行ってきた。この季節は、萩のトンネルが有名である。我が家からは、千代田線で北千住乗り換えで東武鉄道の東向島駅に行けばよい。そこからわずか、7〜8分の道のりである。

向島百花園の萩の花


 向島百花園は、東京都の公園協会のHPによれば、「 江戸の町人文化が花開いた文化・文政期(1804〜1830年)に造られた庭園。庭を造ったのは、それまで骨とう商を営んでいた佐原鞠塢。交遊のあった江戸の文人墨客の協力を得て、旗本、多賀氏の元屋敷跡である向島の地に、花の咲く草花鑑賞を中心とした『民営の花園』を造り、開園しました。

  開園当初は、360本のウメが主体で、当時有名だった亀戸の清香庵字臥竜梅の梅屋敷に対して「新梅屋敷」と呼ばれたほどです。その後、ミヤギノハギ、筑波のススキなど詩経や万葉集などの中国、日本の古典に詠まれている有名な植物を集め、四季を通じて花が咲くようにしました。『百花園』の名称は、一説では、『梅は百花に魁けて咲く』または『四季百花の乱れ咲く園』という意味でつけられたものです。

 百花園は当時の一流文化人達の手で造られた、庶民的で、文人趣味豊かな庭として、小石川後楽園や六義園などの大名庭園とは異なった美しさをもっています。

  民営としての百花園の歴史は昭和13年まで続き、同年10月に最後の所有者の小倉未亡人から東京市に寄付され、翌14年7月に東京市が有料で制限公開を開始しました。なお、昭和53年10月に文化財保護法により国の名勝及び史跡の指定を受けました。」


 都立の庭園には、六義園や小石川後楽園のような元大名庭園もあれば、古河庭園、岩崎庭園、殿ヶ谷戸庭園のような財閥の庭園もあるし、清澄庭園は、江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡である。その点、向島百花園は、江戸の風流人が作った『民営の花園』というわけである。そういう由来から、大名庭園のようなきっちりした手入れがされているというわけでもなく、誤解を恐れずにいえばまるで放っておかれているような感じの管理スタイルなのである。つまり、草が無造作に植えられている感じで、果たして手入れがされているのかどうかわからないくらいに、自由奔放に管理されている風なのである。しかし、そこが良いところで、昔の懐かしい草花に、昔と同じくごく自然な形で会えるというわけだ。


木通(あけび)


石榴(ざくろ)


 たとえば今回は秋の七草が見られるし、以前にも書いたことがあるが、ススキ、彼岸花、エノコロ草、ツユクサなど、我々の年代の者だったら、小さい頃、道ばたでよく見かけた懐かしい草花がさりげなく植えられている。そんなわけで、まるで昔の自分に再会している感がするといっても過言ではない。たとえば、河原で生い茂っていたススキ、小さい頃に山で見かけて食べたことがある木通(あけび)、小学校に通う道端の家の庭にあった石榴(ざくろ)など、懐かしいのを通り越し、懐かしさで泣けてきそうなほど感激するのである。

向島百花園の萩のトンネル


へびうり


池越しに見える東京スカイ・ツリー


 また、萩のトンネルは、今年はちょうど良い時に来たようで、満開とまではいかないまでも、観賞に堪えるくらいにちゃんと咲いていた。しかも、トンネルの入り口や、古池のはるか向こうには、ただいま建設中の東京スカイ・ツリーが見えるから、新旧とり混ぜた景色が味わえるというわけだ。あれあれ、あれは何だ・・・へびうりという名が付けられている。こういうのは、昔なかったが、まあ何でもよい。珍しければ・・・。そうそう、杜鵑草(ほととぎす)も見かけた。

杜鵑草(ほととぎす)


白い藤袴の花に飛んで来た蜂


黄色い女郎花に来た青い虫


 そういうことで、写真を撮っていると、どういうわけか今年は、蝶々や蜂その他の虫が画面に入ってきて、花というよりは、虫を撮っているようになってしまった。白い藤袴の花に飛んで来た蜂、黄色い女郎花(おみなえし)に来た青い虫、露草(つゆくさ)に群がる蟻みたいな虫、薊(あざみ)に取り付く蝶、さらには柳花笠(やなぎはながさ)と思われる花に留まって蜜を吸う揚羽蝶(あげはちょう)まで撮ることが出来たので、大いに満足した。特に、揚羽蝶は、ひらひらとあちこちに飛んでいくので、なかなか写真が撮れない。そうした中、飛ぶコースを目で追って行き、ちょうど考えた通りに来たので、あらかじめカメラの焦点を合わせて待ち受け、一瞬のうちにシャッターを押したら、しっかりと撮れた。だから、大いに満足している。それが冒頭の写真である。これも、新しいカメラ、E−P3のおかげである。今日は、本当に良い日だった。

薊に取り付く蝶





 向島百花園の秋(写 真)は、こちらから。




(2011年10月 1日記)


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