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徒然209.日比谷公園の夏も終わり

紫色のデュランタ


 つい先週の初めまでは気温が日中で摂氏33度、夜中でも30度を超すという真夏日が続いていた。ところが9月も終わりとなる今週になってからは、日中でも20度台前半から18度くらいとなり、いよいよ秋の色が濃くなってきた。おかげで、日中に外をぐんぐんと歩き回っても、以前のように汗だくになるようなこともなく、涼しい顔をしていられる。そういうわけで、お昼の時間、久しぶりに日比谷公園に行ってみた。

 日比谷交差点から公園に入ったところ、さっそく目に入ったのは、紫色のデュランタである。私のホームグラウンドである谷根千の家々でも、近頃よく見かける花だ。「季節の花」さんの解説によると、「ローマ法王の侍医で、植物学者でもあった『デュランテスさん』の名前に由来する。(16世紀の人) メキシコ地方原産。明治中期頃に渡来。花は夏に咲く。」とのこと。それを見ていたら、一匹の蛾が飛んで来た。花に停まってすぐに飛び立つことを繰り返し行っている。何をしているのか、家に帰ってパソコンでその写真を拡大してわかった。飛びながら口から小さな管を出し、花から蜜を吸っていたのである。動きがあまりに早いし管があまりにも小さいから、よく見えなかったというわけだ。

真っ赤な曼珠沙華


 さらにその先には、今は盛りと、真っ赤な曼珠沙華(彼岸花)が咲いていた。私はこの花の形を見るたびに思うのだが、まあどうして、こんなに優雅な形に咲いているのだろう。花の赤さが鮮やかであるし、茎の緑も目に染みるようだ。私が好きな花なのだが、家内は、お墓を連想して、あまり好きではないようだ。長く夫婦をやっていても、私は得てして形状に興味を示し、家内はどうも概念にこだわるのである。

ペリカンの小さな噴水


 そこを過ぎると、ペリカンの小さな噴水があり、黄色の花が植えてある。その前の芝生広場の周囲には、もう少し経つと秋の薔薇が満開になるが、それにはまだまだ早いようだ。おっと、目の前に蜻蛉が飛んで来た。珍しい。何年ぶりだろうか・・・ああっ、鉄の鎖に止まった。焦点を合わせるのももどかしく、大急ぎでカメラのシャッターを切った。少しピンぼけた写真となったが、まあ何とか形は撮れた。本当は正面に回って眼を撮りたかったが、贅沢は言うまい。撮れただけでも良しとしよう。

鉄の鎖に止まった蜻蛉


 私の前には、青銅製の像がある。右手を垂直に挙げて、左手で竪琴を抱える女性の形をしている。自由の女神だそうだ。フランスから送られてお台場に置かれている自由の女神像(ニューヨークの玄関口にあるものと同一のデザイン)とは、かなり異なると思ったら、昭和25年の文化の日制定を記念して作られたモニュメントで、日本人(乗松厳)作のものという。

自由の女神


 その直ぐ近くの薔薇の花壇内に、白と黒のブチの猫が寝ていた。のんびりしているなぁと思って見ていたら、気配を感じたのか、起きて首を動かし、私の方を眠たそうな目で見た。おっと、起こして悪かった。そのまま、また昼寝に戻るがいいと思って、音を立てないようにしてしずしずと通り過ぎた。

昼寝の猫


 さて、公園の中心部に向かって行き、辺りを見回してみたら、噴水の周囲や芝生広場の内外に数多くのテントが並んでいる。しかもそのひとつひとつに、各国の国々の札が下げられていた。おそらくこの土日にでも、まあ何か、国際色豊かなイベントが開かれるらしい。ちょうど設営中のようだ。これは落ち着かないと思ってその場を避けて松本楼の方に行ったら、入口脇に、青いサルビア(正式にはサルビア・グアラニチカ)があった。これを見る度に思うのだが、まるで蛇が口を開けて襲いかかる瞬間のような形をしている。

サルビア・グアラニチカ


 鶴の噴水の池に来た。鶴の口から、たくさんの水が噴き出している。それにしても、周囲の木々の緑と、それが反射した池面の緑がかった水の色、それにこの鶴が良く調和している。実はこのスポット、秋に来ると紅葉の赤で燃え上がるように美しいが、それ以外の季節も、なかなか美しい風景なのである。目が休まるのか、気が休まるのか知らないが、近くに法務合同庁舎があるので、検察庁の人が、よく散歩している。

鶴の噴水


 ちょうど季節の変わり目なので、これといった花は咲いていなかった。それでも、ぽつぽつ目に入った花を撮っているうち、その花に群がる蛾、飛び回る蜻蛉、それにお昼寝から覚めたばかりの猫ちゃんまで、花というより動物が目についた。それに、彼岸花が咲いていたのは、もうすぐ、秋が来る兆しである。季節の変わり目に来た気がする。最後に、かもめの広場の噴水を見て、公園を後にした。

かもめの広場の噴水





(2011年 9月29日記)


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