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ベトナム舞踊・アオザイショー

アオザイのファッションショー


 先週末のスリランカ・フェスティバルに引き続いて、再び今週も、代々木公園イベント広場で行われてたベトナム舞踊・アオザイショーに行ってきた。いただいたパンフレットによれば、進展する日越関係をさらに飛躍させるため、日本において、ベトナム文化・料理・経済等、さまざまな交流を行い、両国親善のさらなる発展に寄与する。特に本年は、ベトナムからの暖かい支援やメッセージを多数頂き、日本とベトナムの強いきずなを伝える機会にする。」ということだったが、私の関心はもちろん、舞台の上で繰り広げられるベトナム舞踊と、アオザイのファッションショーをカメラE−P3で撮ることであり、動くものを撮ることに慣れる良い機会となるはずだ。

ベトナム伝統歌舞団


ベトナム伝統歌舞団


 やや遅く着いたので、オープニング・セレモニーを見ることもなく、そのまま舞台上で行われたベトナム伝統歌舞団の踊りを見物した。まず最初は、瓢箪のような置物を頭に付けた女性の踊りである。ひとりひとり、両腕を実にゆっくりと優雅に動かし、手先まで神経を集中して踊っている。しずしずと雅やかに舞い、決して飛んだり跳ねたりはしない。まるで本を頭の上に載せて歩く、モデルの訓練方法と一緒だなと思っていたら、本当にその瓢箪を頭から外して床に置いたので、びっくりした。やはりその瓢箪は、頭に紐などで縛りつけているものではなく、単にポンと頭の上に載せていただけなのである。それが優雅に見える要因となるとは、うまく考えたものだ。いずれにせよこの踊りは、動きがゆっくりしていたので、シャッター速度優先で200分の1秒くらいで十分に良い写真が撮れた。踊り手の皆さんは、なかなか品の良い美人ばかりである。

ベトナム伝統歌舞団


ベトナム伝統歌舞団


 次に、白いアオザイを着た女性歌手が出てきて、顔だけでなく全身いっぱいを使って表情を作り、何やら懸命に歌っている。昔、ちあきなおみという歌手がいたが、顔はともかく、雰囲気がよく似ていると思った。この人は、Hien Thuc(ヒエン・トック)さんといって、「子役時代からベトナム音楽界のアイドルとして活動して人気を得る。その後もベトナムポップアーチストとして幅広く活動。現在little girlがベトナムトップ10にランキング中」なのだそうだ。

ヒエン・トックさん


ヒエン・トックさん


 はるか向こうの舞台の上にいる歌手の表情など、私にはもう肉眼ではっきり見ることは出来ないが、さすが超望遠レンズだけあって、家に帰ってから撮った写真を見ると、とっても表情豊かに歌っている。ただ、ベトナム語なので、何を言っているのかは、わからなかったのは残念である。それはともかく、ここでひとつ発見があった。私は元々、ベトナム女性のあのアオザイは、なかなか優雅で美しいが、あの前後に長い上着は、歩くのには不便ではないか・・・つまり、和服ほどではないが、裾捌きが面倒なのではないかと疑問に思っていた。というのは、特に上着の前の方は、いわば腰の上の方から足首のところまで一枚の布で、それがちょうど両足を覆う蓋のようになってしまうからである。これでは足を前に大きく出そうとすると、上着の前の方が足に当たってしまう形となる。ところが、ヒエン・トックさんのちょっとした仕草で、私のこの長年の疑問は一挙に解消した。つまり、彼女は、舞台の上で大股に歩くときには、片手でその上着の前の方を脇からちょっと持ち上げて前へと繰り出し、足を前に踏み出しやすくしていたのである。わかってみると、実に簡単なことだった。

ヒエン・トックさん


ベトナムの高地民族の踊り


 さて、それが終わると、ベトナムの高地民族の踊りという紹介で、大勢の踊り手による勇ましく踊り回る一団が出てきた。赤い衣装で、なかなか勇ましい。舞台狭しと踊り回り、その途中で女性はその長い髪を前に垂らしたかと思うと、それを一気に後ろになびかせる。まるで歌舞伎の連獅子のようだ。面白い・・・面白い。でも、ぐるぐる回るので、カメラのファインダー越しに追いかけると、こちらの目が回りそうである。中央に踊り手が集まったかと思うと、まるで運動会の組み体操のように、ひとりの女性を皆で持ち上げている。もちろん、土台となっているのは、数少ない男性である。日本のチア・リーディングのプリーを思い出してしまった。

ベトナムの高地民族の踊り


ベトナムの高地民族の踊り


ベトナムの高地民族の踊り


 そういうわけで、動きの速いこの高地民族の踊りについていくには、シャッター・スピードを上げなければと思い、400分の1秒としたが、まあそれで正解だった。それから、背面の壁が白いタイルなので、そちらからの反射光を拾ってはいけないと思い、全画面焦点から、中央焦点としたが、これもそれで良かったようだ。しかしそれにしても、超望遠レンズを使ったので、あれほど遠い舞台でも、画面いっぱいに人の顔がくっきりと写るから、撮っていて楽しくなる。いいレンズとカメラの組み合わせだ。

アオザイのファッションショー


アオザイのファッションショー


 その踊りが終わり、しばらく間が開いて、次に何が始まるのかと思ったら、アオザイのファッションショーだそうだ。私の座っている席の後ろの方から「これを見に来たんだ」という話し声がする。そんなに有名なのかなと思っていたら、司会がこのデザイナーは最近売り出し中で、国際的にも大いに注目されている新星だとか、今日のモデルは皆、ミスコンテストで優勝した人ばかりなどと紹介している。私は、アオザイといえば、たった今出ていたヒエン・トックさんや現地の高校生が着ている真っ白のものしか思い浮かばない。それが国際的に評価されるものになるとは、果たしてどんなデザインなのか、期待が高まる。

アオザイのファッションショー


アオザイのファッションショー


 さて、最初のモデルさんが出てきた。カメラのファインダー越しに見ても、とても美人である。キャット・ウォークつまりモデル歩きをしている。しかし、着ている衣装はというと、普通のファッション・ショーと変わりがないではないかと思った瞬間・・・ああ、なるほど、長いだらりとした上着があって、その両脇にスリットが入っていて、そして長ズボンをはいている。ああ、これはなるほど確かにアオザイの形式だ・・・。それにしてもこの作品は、西欧風の色彩感覚と、女性の体の線を際立たせるアオザイの長所がほどよく出ている。これは、国際的にも高評価を受けるわけだ。それに、熱帯の鳥を思い出させる胸元の飾りが美しい。思わず見とれてしまった。それだけではなく、帽子のような頭の飾りが、なかなか洒落ている。これは美しい。後半に出場したモデルは、扇子を持っている。ああ、これも服装と良く調和している。アオザイといっても、これほどまでにカラフルで美しいとは思わなかった。冒頭の写真のモデルさんは、まるで極楽鳥のごとくである。

アオザイのファッションショー


アオザイのファッションショー


 これでも私は、ベトナムに1回だけ行ったことがある。しかし、14年ほど前のハノイなので、仕事以外で見たものといえば、ホーチミン将軍の遺体と、科挙の合格者を祭った孔子廟、それに例の水中人形劇だけで、こんなアオザイ姿の美人など、どこにもいなかったのは残念至極である。しかし、そんな昔話はもうすっかり過去のことで、現代のベトナムは、これからますます発展するだろう。中国を挟んで東の日本と西のベトナムは、安南節度使を勤めた阿倍仲麻呂以来の縁がある。いずれも、国民が勤勉で人口も多い点(ベトナムは約8600万人、日本は約1億2752万人)、国が南北に長い点、米が主食である点など、共通点が多い。これから、日本が大事にしていきたい国のひとつである。


(2011年 9月18日記)


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